【特集】ファッションとサステイナビリティー


ファッションとサステイナビリティー

サステイナビリティ―に関連する情報発信を強化します。

 繊維・ファッション産業を未来へとつなげるため、自然や人、社会とのかかわり方を見直す動きが広がっています。繊研新聞では、地球や社会、人権に配慮した企業活動や技術革新、商品開発などの情報発信をさらに強化するため、「ファッションとサステイナビリティー」のページを新設しました。



サステイナブル情報

インテキ上海ではサステナブルのコーナーが設置

サステイナブルの打ち出し強める中国展 消費者意識の高まり反映

 中国市場でもサステイナビリティー(持続可能性)の重要性が増している。ここ数年、素材分野でエコ、環境配慮型と並んで重要なキーワードとなっていた。素材メーカーは、欧米市場を意識した提案が中心だった。ここにきて中国アパレルもサステイナブルを意識し始めている。中国消費者の意識の高まりを受けての対応とみられる。

ケケン製品認証事業部長 丸茂征也氏

ケケン製品認証事業部長 丸茂征也氏 コストとの両立を考え続ける

 ケケン試験認証センターはテキスタイル・エクスチェンジ(TE)規格の認証業務を年内に始める。TEはサステイナブルな繊維産業構築のための調査、啓発行い、世界375社が加盟する(20年6月)団体で、ケケンは19年9月に加盟、20年1月にTE規格認証機関となる申請をし、承認を待っている段階だ。日本の検査機関として初のTE規格認証業務を実施し、日本のサステイナブルな繊維産業の構築を支援する。丸茂征也製品認証事業部長に、日本での国際認証業務の意義などについて聞いた。

芯に「ソロナ」を使った複重層糸

【PR】ユニチカトレーディング エコな紡績糸「パルパー・メイド・ウィズ・ソロナポリマー」を新開発 植物由来原料「ソロナ」を複重層糸に初採用

 地球環境に配慮した企業経営に取り組むユニチカグループのメーカー系商社、ユニチカトレーディング(UTC)はこのほど、環境配慮型の新しい紡績糸「パルパー・メイド・ウィズ・ソロナポリマー」(以下、「パルパー・ソロナ」)を開発した。主要な原料に米国の化学メーカー、デュポンの植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂「ソロナ」を採用し、それを綿の風合いとポリエステルの機能を高度に複合したUTC独自の特殊複重層糸「パルパー」に応用した。複重層糸に「ソロナ」を使うのは世界で初めてのケースで、11月から日本及び海外で販売を始める。

あの手この手で、廃棄物を減らそう アップサイクル、在庫削減、産廃活用など

あの手この手で、廃棄物を減らそう アップサイクル、在庫削減、産廃活用など

 持続可能な社会へ、廃棄物をいかにして減らしていくのか。繊維、ファッション業界でも、あの手この手、様々なアプローチで廃棄物削減の取り組みが進んでいる。6~8月の紙面から振り返ってみよう。

 ジョンブルは20~21年秋冬物から、アップサイクルプロジェクトの「リベア・バイ・ジョンブル」の卸を開始する。プロジェクトは、サステイナビリティー(持続可能性)の視点でスタートしたもの。

アディダスジャパン副社長 トーマス・サイラー氏 「三つのループ」実現に挑む

アディダスジャパン副社長 トーマス・サイラー氏 「三つのループ」実現に挑む

 24年までにバージンポリエステルの使用撤廃を決めるなど、業界に先駆けサステイナビリティー活動に本腰を入れるアディダス。現在は、リサイクルや生分解性素材の活用による循環型製造プロセスの確立に力を入れる。ジャパン社のトーマス・サイラー副社長に概要を聞いた。

レジ袋有料化始まる 広がるエコバッグ 環境対応素材などで社会貢献

レジ袋有料化始まる 広がるエコバッグ 環境対応素材などで社会貢献

 7月1日からレジ袋の有料化がスタートした。ファッション業界でもこれに対応した動きが活発化、6、7月の繊研新聞紙面でもレジ袋有料化対応、エコバッグの新商品発売などを紹介する記事が目立った。環境対応素材使いなどを中心にその一部をダイジェストでまとめた。

WeDoイノベーション 紅真次郎ディレクター 「理念・方針はサプライヤーとともに」

WeDoイノベーション 紅真次郎ディレクター 「理念・方針はサプライヤーとともに」

 昨今、様々な商品の開発・生産に欠かせない視点は、エコフレンドリーやサステイナビリティー(持続可能性)。ところが、多くのブランドには掲げる理念や方針と現実の間にギャップが存在する。そう指摘するのは、グローバルスポーツブランドなどの靴開発に携わり、最先端の動向を知るWeDoイノベーション(ベトナム)でディレクターを務める紅真次郎氏。世界的なサステイナビリティーの潮流の中で、靴を取り巻く生産現場の動向と課題を聞いた。

帝人フロンティアのリサイクルポリエステル繊維「エコペット」

帝人フロンティア リサイクルポリエステル繊維「エコペット」 発売から25年 技術力磨きさらに成長

 環境に配慮した素材で作ったアパレル製品を店頭で見かけることがこの1、2年で普通になってきた。新型コロナウイルスが世界を襲い、今後消費者意識がどう変化するか、予想するのは困難だ。「ますますサステイナビリティー(持続可能性)、エコロジーが重視される」という見方がある一方、「低価格ニーズがさらに強まる」との見解もある。

ACE代表 岩附由香氏

ACE代表 岩附由香氏 コロナ禍が児童労働招く懸念

 世界から児童労働をなくすために活動するNPO(非営利組織)のACE。新型コロナウイルスで支援活動をする国にも大きな影響が出ている。感染拡大が、児童労働やファッションのサプライチェーンにどう影響しているかを聞いた。

「コットン・アップ・ガイド」日本版

コットンの持続可能性を目指して 英NGOが「コットン2040」を推進

 4~6月は環境問題やサステイナビリティー(持続可能性)に関連した重要なイベントが目白押しのシーズンだ。今年は新型コロナウイルスの影響で多くのイベントが中止になったが、4月は地球環境を考える「アースデー」(4月22日)、バングラデシュの縫製工場が倒壊し大勢の死者を出した日に由来した「ファッション・レボリューション・デー」(4月24日)、フェアトレード(公正取引)をアピールする「世界フェアトレード・デー」(5月第2土曜日、5月は世界フェアトレード月間)などがあった。

前・パタゴニア日本支社長の辻井隆行氏

前・パタゴニア日本支社長の辻井隆行氏 「本質的な一歩を踏み出す時」

 コロナ禍によってあまたの尊い命が返らぬものとなり、今なお、大勢の方々が苦しんでいる。心からのお悔やみとお見舞いを申し上げると共に、社会の一員として、一刻も早く事態が終息することを願う。一方、いずれ終息したとして、その先の社会は一体どうなっていくのだろうかという不安を抱えている方々も少なくない。その不安を突き詰めて考えれば、経済停滞による社会の機能不全にだけではなく、今、未来に向けた適切な一歩を踏み出さなければ、私たちは新たな脅威にさらされ続けることになるという憂苦の中に、その本質があることに気づく。

ペットボトルリサイクルの協栄産業

ペットボトルリサイクルの協栄産業 高度な技術で粘度をコントロール

 使用済みペットボトルを原料にしたリサイクルポリエステル繊維が広がっている。海洋プラスチックごみ問題などへの関心が高まり、課題解決につながる手段として改めて注目されているのだ。85年からリサイクル事業を行う協栄産業(栃木県小山市、古澤栄一社長)は、長年磨き上げた高度なリサイクル技術で、アパレルに求められる高機能・高感性な繊維に対応したリサイクル原料を製造している。

フィールド保全を支援するCAJの三浦務代表理事

フィールド保全を支援するCAJの三浦務代表理事「地球規模の課題にも目を」

 アウトドアフィールドの保全活動団体などを支援する一般社団法人コンサベーション・アライアンス・ジャパン(CAJ)が今年、創設20周年を迎える。今後、助成金額の引き上げや助成対象の範囲拡大に向け、加盟企業を増やす。


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【特集】コロナ禍だからこそ問われる本質(2020.7)

 気候変動や環境問題、人権問題、サプライチェーンの透明性、大量廃棄など多くの課題が指摘され、ファッション産業全体や個別企業・団体は課題解決のための策を打ってきた。ここへきて新型コロナウイルスの感染拡大が、経営にダメージを与えているが、こうした状況下だからこそ、持続可能性への取り組みが長期の視点で本質的に取り組まれているのかが問われるのではないだろうか。

「やさしいせいふく」プロジェクトのメンバー

都内の中高生による「やさしいせいふく」プロジェクトのメンバーに聞く

 若い世代の方が環境や社会問題に関心が高いといわれる。気候変動やSDGs(持続可能な開発目標)、貧困問題などを当たり前のように学ぶ世代は、洋服に対しても、物作りの裏側にある負の部分にも着目し始めている。問題視するだけでなく、自分たちの身の回りから解決しようと、自ら動き出す学生も出てきた。そのひとつが、「自然にやさしい」「人にやさしい」「世界にやさしい」の三つを理念に、「ありがとうと笑顔が生まれる服作りを世界中に浸透させることを最大の目的としたプロジェクト」としてスタートした「やさしいせいふくプロジェクト」(旧プロジェクト名「学生ブランド作っちゃおうぜ!」)。

「ベンベルグ」

《エコ素材って何?》使い続けられるものを選ぼう

 自然環境や社会との共生は企業活動の永遠のテーマだ。昨今ではSDGs(持続可能な開発目標)が世界で共有され、上場企業を中心に経営のマテリアリティー(重要課題)に掲げることは珍しくない。そんな中、アパレルメーカーや小売業が力を入れることの一つが、エコな商品開発だ。この間、素材メーカーが環境配慮素材の開発を一段と強化していることもあり、素材・加工の選択肢は一気に増えた。リサイクルされた素材や、植物由来の素材、土の中など自然環境中で分解される素材を使うなど、環境負荷を減らすためのアプローチの仕方は複数ある。企業姿勢やブランドのコンセプトに沿ったサステイナブル(持続可能)なやり方で環境や社会に対して価値の提供を続けることが肝要だ。


<各企業の取り組み>

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【特集】持続可能性が未来をつくるカギ(2019.12)

 気候変動や環境破壊、労働者の人権、動物の福祉、過多な在庫、大量廃棄など、ファッションビジネスを取り巻く課題が表面化している。各ブランドや事業はもちろん、経営の軸足として持続可能性は欠かせない視点となってきた。山積する課題を個別の事業や協業によりどう解決するかが、産業の未来を開くカギを握っている。

石川康晴ストライプインターナショナル社長

石川康晴ストライプインターナショナル社長に聞く 企業の対応が将来を分ける

 ブランドメッセージとして〝エシカル〟を掲げる「アースミュージック&エコロジー」をはじめ、企業単位でもサステイナブル(持続可能)な活動を強化しているストライプインターナショナル。19年度はSDGs(持続可能な開発目標)を経営戦略の一つに設定し、2月にはSDGs推進室も設けた。

スノーピークの本社内に置いたホールガーメント

アウトドア企業 循環型社会へ 取り組み本格化

 国内のアウトドアメーカーが、循環型社会の実現に向けた取り組みを本格化している。

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◇大量生産・消費から適量へ

ステークホルダーに聞く 新たな産業の近代化

 グローバルSPA(製造小売業)の席巻や少子化・消費不振などで苦境に立たされているアパレル業界。アパレルメーカーとタッグを組んでサプライチェーンを構成しているODM(相手先ブランドによる設計・生産)、縫製業、情報システムベンダーなどステークホルダーも行く末に危機感を持っている。大量生産・大量消費から適正生産へ――。デジタル技術により「見える化」し、生産各段階のロスをなくすことは急務だ。資源を無駄にしたり、地球環境に優しくない素材を使用することに、消費者の意識も敏感になってきた。悪習は改め、技術革新・近代化を図ることが生き残りにつながる。ステークホルダーに胸の内を語ってもらった。

平石公宣丸久社長

【丸久社長 平石公宣氏】オール日本で海外生産に対抗

 当社は、工場を持っている商社のような企業です。バングラデシュとタイにも工場を持っていますが、最近は日本の小売業向けが不振のため、海外を伸ばそうとしています。バングラデシュはH&Mとザラの拠点ですが、彼らの工場とは規模、仕組みが日本とはあまりに違い、今の日本では欧米に通用しないと痛感しています。

佐藤正樹佐藤繊維社長

【佐藤繊維社長 佐藤正樹氏】服廃棄やめて適正利益得る

 羊のしっぽや肉を切り取るミュールシングの問題で、ウールには動物虐待のイメージがついて、サステイナブルではないと思う人も増えました。本来、天然素材で再生可能なのに。私は、ニットでウールを再度、環境素材と認識させたいと考えています。

小谷理実アベイル社長

【アベイル社長 小谷理実氏】デジタル化で無駄の排除を

 長年アパレル生産現場のシステムを作ってきましたが、効率化や見える化などで評価されており、スタンダードなシステムだと自負しています。アパレルメーカーと縫製工場双方とお付き合いしていますが、サプライチェーンというなら、アパレルは工場を大切に考えた方がいい。信頼関係を強固にする必要があると思っています。

◆クリエイティブに環境・社会貢献

 欧州を発信源に、自然環境や人に優しい事業活動をより推進しようとする意識が高まっている。SDGs(持続可能な開発目標)の浸透も追い風になって、サステイナビリティー(持続可能性)の潮流は日本にも押し寄せている。ファッションビジネスにも、社会的な責任を果たし、かつクリエイティブに持続可能な事業活動を行う力が求められる。

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<各企業の取り組み>

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