持続可能な業界へ団体発足相次ぐ 企業間“共創”で健全な発展に寄与

2021/12/17 00:00 更新


 繊維・ファッション産業のサステイナビリティー実現に向けた業界団体の発足が相次いでいる。業界の複雑なサプライチェーンの構造改革を企業間連携を通じた〝共創〟で推進し、産業全体の健全な発展に寄与する。

限界を乗り越えて

 「ジャパンサステナブルファッションアライアンス」(JSFA)は11月12日、第1回総会を都内で開催した。総会では「2050年に向けて繊維・ファッション産業の構造転換を推進し、ファッションロスゼロとカーボンニュートラルを達成する」とした活動目標を確認。総会時の会員企業は正会員13社、賛助会員15社。共同代表には伊藤忠商事とゴールドウイン、日本環境設計が就いた。パブリックパートナーとして環境省、消費者庁、経済産業省が参加する。持続可能なファッション産業に向けて、業界を横断した解決策を導く企業連携のプラットフォームが始動した。

 JSFAの発足は、20年12月~21年2月に環境省の「ファッションと環境」タスクフォースが勉強会を開催したことが契機。持続可能なファッション産業に向けた行政や企業の取り組み状況・課題を共有する中で「個々の企業や個人では限界があり、業界を横断して解決策を導く必要性」への認識が広がった。勉強会に参加した企業が呼びかけて、今後の企業連携のプラットフォームとして同アライアンスの設立に至った。

JSFAは「2050年に向けて繊維・ファッション産業の構造転換を推進し、ファッションロスゼロとカーボンニュートラルを達成する」活動目標を確認

課題解決へ提言も

 JSFAは今後、年1回の総会を開くとともに、定期的な勉強会などの活動を行う。持続可能なファッションに関する知見の共有、ファッションロスゼロやカーボンニュートラルに向けた取り組み、生活者との双方向のコミュニケーション、国内外の重要動向の先行把握、業界内の共通課題の改善のために必要な政策提言などを行う予定だ。

 JSFAの第1回総会時点の正会員企業は、アダストリア、伊藤忠、クラボウ、ゴールドウイン、鈴木商会、帝人フロンティア、東レ、豊島、日本環境設計、福助、丸紅、ユナイテッドアローズ、YKK。賛助会員企業は、旭化成アドバンス、アシックス、カケンテストセンター、清原、クロスディーズジャパン、コーベル、サルト、シキボウ、タカキュー、ハイケム、フジックス、日華化学、日本生活協同組合連合会、日本繊維製品品質技術センター、良品計画。JSFA事務局は一般社団法人ユニステップスと伊藤忠ファッションシステムが担う。

 このほか、コットンを中心として天然繊維にフォーカスした資源循環を目指す団体や、繊維産地などの中小製造業が連携し、サステイナブルな物作りを目指す団体など複数が立ち上がり、それぞれが共通の課題解決と新たな価値の共創に挑もうとしている。

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