レンチンググループのリヨセル繊維「テンセル」は、環境負荷の少ないサステイナブルな素材として消費者へのアピールを強めており、ブランドでの採用も広がりつつある。
テンセルは生分解性を持ち、他の再生セルロース繊維に比べ化学薬品の使用が少ない。製造工程で出る余剰物を熱エネルギーに再利用するなど、木材を100%有効活用している素材だ。今春には「ザ・ノース・フェイス」でも採用、フルーツ染めをしたTシャツやワンピースが販売され、エシカル素材としての認知が広がってきた。
テンセルは幅広いファッションブランドで採用されており「気軽にエシカルファッションを楽しめる素材」として消費者へのアピールも強めている。7月からはインスタグラムを使い、エコバッグのプレゼントキャンペーンを実施。「テンセル・モダール」の原着わたを使った染色負荷も少ないバッグで、ブランドとのコラボ企画も検討中だ。
最近ではサーキュラーエコノミーへの関心も高まってきた。使用済み綿布などから再生したパルプ30%とバージンパルプを混ぜ合わせ、再びリヨセルを生産するテンセル「リフィブラ」は、綿100%の使用済み古着を一部原料とすることも可能になるなど、進化を続けている。
(繊研新聞本紙20年7月28日付)