【ファッションとサステイナビリティー】ステークホルダーに聞く 新たな産業の近代化 佐藤繊維社長 佐藤正樹氏

2019/12/08 00:00 更新


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佐藤社長

服廃棄やめて適正利益得る

ウールを再び環境素材と認識させたい

 羊のしっぽや肉を切り取るミュールシングの問題で、ウールには動物虐待のイメージがついて、サステイナブルではないと思う人も増えました。本来、天然素材で再生可能なのに。私は、ニットでウールを再度、環境素材と認識させたいと考えています。

 4日から始まるジャパン・ベストニット・セレクション(JBKS)で、再生ポリエステルとウール混紡のニット糸を発表します。豊富なカラー展開が特徴です。通常、糸として染色のできない再生ポリエステル糸は、わたの状態で染色した上で混紡し、カラー展開が可能になりました。

 羊の毛は昔、春になると自然にはがれて刈り取る必要などありませんでした。それが品種改良で変わっていき、量を取るために皮膚をだぶつかせるようにしたら、お尻が汚れて虫がつき、中には死んでしまう羊も。そこで、生まれたらすぐにしっぽを切ってしまおうということになったのがミュールシングです。

 これに対し、アルゼンチンはミュールシングをしないことをアピール。南米には虫がいませんからね。ミュールシングに対するネガティブキャンペーンの側面もあったと思います。でも、南米には児童労働の問題もあるんですけど。

 服を廃棄することも問題だと思っています。安くしたいから「店頭でいくらで売りたい」=売値を決めて、その価格を実現するために大量生産。工場の閑散期に新興国へ大量発注というのが、一部を除いて大手アパレルメーカーがやってきたことでした。「たくさん売れればもうかる」という思いもあったでしょう。その結果、大量に在庫を残して廃棄。そのうち廃棄を見越して小売価格に乗せるという、無茶なことをしてきたのはアパレルです。

 適正な生産で、適正な作り方をすれば、無駄なゴミになるものを作らなくていい。原価率は高くなるけれど、廃棄しなければ適正な利益は残るし、製造業者などかかわった人たちにも適正な収入を与えられるはず。その点「ホールガーメント」(無縫製横編み機)は縫い代がないし、裁断ロスも出ませんから、うってつけです。

 米国も言う割には服を廃棄してますね。ペットボトルも回収していないし、そんな国にサステイナブルなんて言われたくない。日本とドイツが一番熱心なんじゃないかな。それでもアパレルでは一番遅れてますけど。

(繊研新聞本紙19年12月4日付)

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