【ファッションとサステイナビリティー】あの手この手で、廃棄物を減らそう アップサイクル、在庫削減、産廃活用など

2020/09/24 06:00 更新


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「リベア・バイ・ジョンブル」の代表商品のパッチワークシリーズ

 持続可能な社会へ、廃棄物をいかにして減らしていくのか。繊維、ファッション業界でも、あの手この手、様々なアプローチで廃棄物削減の取り組みが進んでいる。6~8月の紙面から振り返ってみよう。

◇6~8月の紙面から

 ジョンブルは20~21年秋冬物から、アップサイクルプロジェクトの「リベア・バイ・ジョンブル」の卸を開始する。プロジェクトは、サステイナビリティー(持続可能性)の視点でスタートしたもの。打ち出す商品は製品や古着と残反を使ってリメイク製作したものになる。生まれ変わらせる、再び生み出すという意味を込めたrebearをプロジェクト名に用いた。

 アダストリアは、「衣料在庫の焼却廃棄ゼロ化」を5月21日に宣言した。すでに国内販売在庫品(生活・服飾雑貨を除く)は、アップサイクルブランド「フロムストック」への転換などリサイクルとリユース循環を描いている。海外輸出される場合も焼却されないように確認を取っていく。

 レディスアパレル、靴などの製造販売、クロシェは24年までに受注生産比率を80%に高める。過剰生産、大量廃棄による環境破壊がアパレル産業最大の課題と考え、サステイナビリティーを企業の軸に据えることにした。

 レディスブランド「アクシーズファム」を展開するアイジーエーは、7月から「自社商品廃棄ゼロ」を実行する。3年前から消化率90%を目標に、商品を作り過ぎない方向にかじを切った。アウトレット店舗も縮小し、通常店舗の販売力を強化してきた結果、前期(20年2月期)の消化率は99.4%という高水準に到達した。それでも売れ残った商品約1万点は廃棄対象となったため、今期から残りわずかな服も「焼却しない」方針を表明。外部の仕組みを活用して売れ残り品を有効活用してもらうとともに、生産段階で出る不良品や生地の無駄を削減、MD精度もより向上させ、廃棄ゼロを目指す。

 レディスウェア「アキコアオキ」は、公式オンラインストア限定の新レーベル「ヌーン」を立ち上げ、7月10日から販売を始めた。第1弾として4型のワンピースを出した。過去に人気があった形を採用し、コレクションを制作した際の余剰の生地をアップサイクルした。「利用が可能な状態で眠っていた生地を、新たな取り組みでブランド内で消化し責任を取るということ。衣服生産のために多くの生地が作られている現代に、自分たちの規模でも実践できる持続可能な取り組みを考えた」とデザイナーの青木明子。今秋冬のコレクションでも、古着を解体して作ったレザーアイテムを出している。

 レディス主体のユニフォームメーカー、カーシーカシマは、接客サービス向けユニフォーム「エンジョイノワール」で今秋冬、〝服から服を作る〟サーキュラーエコノミーを目指す「ブリングマテリアル」を使った男女のセットアップスーツを企画した。エンジョイノワールは、企業のおもてなしの心を伝え、サステイナブルな姿勢を表現するブランド。使わなくなった服を回収し、原料として生成した再生ポリエステル繊維、ブリングマテリアルで作るセットアップを新たに企画した。

 テキスタイルの流通在庫を再生させ、新たに活用していこうという動きが出てきた。コロナ禍の春夏商戦の影響で、テキスタイル業界では「来春夏の動きが鈍い、追加発注がない」という声が聞かれる。そのため、在庫をどう活用するかは、生産にとって重要な課題になった。無駄のない物作りが求められるサステイナブルの観点からも注目される。滋賀・湖東産地で整理加工を行う大長は、テキスタイルの再生を検討している。風合いや色合いが良くなかった商品のほか、売れなかった生地に、もう一度手を加え、新たな色合いや表情に変えて再利用を目指す。

 合成樹脂製フラットヤーン、資材などを製造する萩原工業(岡山県倉敷市)は、ブルーシートの製造過程で発生するロス生地をトートバッグにアップサイクルする取り組み「ブリッジ・セトウチ」を始めた。売り上げの3割を災害復興などの基金に寄付する。これまで産業廃棄物として処理されていたものをアップサイクルすることができ、未使用シートのため、耐久性が高いのも特徴。バッグ内側にも規格外のクロスを使用した。

 専門商社の豊島は21年春夏向け素材総合展で、サステイナビリティーとトレーサビリティー(履歴管理)を重視した新素材を出した。「アンタングルイット」は台湾で使用済みとなった漁網を回収し、アパレル向けの繊維にアップサイクルした素材。台湾のパートナーが回収する漁網を洗浄した後、ナイロンのペレット加工し、選別したペレットを原料にしてアパレルに適した糸や生地を作る。漁網からできたナイロンとペットボトルのリサイクルポリエステルを特殊紡績し、30番手のスパン糸にし、吸水速乾や撥水(はっすい)の加工をしてアウトドアウェアでの採用を狙う。原料から製品までのトレーサビリティーがあり、機能やサステイナビリティーも備えた素材だ。「今できることを一人ひとりが、一つひとつ行うことで、複雑に絡み合った地球規模の課題を解きほぐしていく」という思いを込めてネーミングされた。

(繊研新聞本紙20年9月17日付)

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