旭化成はスパンデックス「ロイカ」で世界的に珍しいサステイナブル素材を展開する。GRS認証を取得しているリサイクル糸「ロイカEF」、生分解の「ロイカV550」の2タイプで、いずれもドイツが先行したが、今後は日本、アジアでの適地生産・適地販売を進める。
ロイカEFは15年に開発した、スパンデックスで世界初のリサイクル糸。従来は廃棄していた工場内で出る残糸や未出荷糸を利用し、リサイクル原料の比率が58%でGRS認証を得ている。
独工場で製造し、欧州での販売が先行したが、近年は日本やアジアでも関心が高まっており、来年春には日本の守山、タイ工場で設備投資を実施し、量産を開始する。さらに22年には台湾でもスタートする計画で、中国以外の全工場でウェストゼロを達成する。
もう一方のV550は、スパンデックスで唯一の生分解糸。水とCO2に分解され、独試験機関での試験で有害物質が発生しないことも確認されている。分解性は試験270日時点で一般的なスパンデックスが2%しか分解しないのに対し、V550は35%分解し、現在も試験を継続中。クレイドル・トゥ・クレイドルのゴールド認証も取得している。
こちらも独での生産が先行したが、来年下期に守山での生産を始める予定。今後、ロイカではこの2タイプのほか、バイオ原料、VOCフリーといった切り口でも開発を継続していく。
(繊研新聞本紙20年11月25日付)