「Bコープ認証」は米国のNPO法人(特定非営利活動法人)Bラボが運営する国際認証。社会や環境問題に対する透明性、説明責任などを満たす企業に対する認証制度だ。日本ではBマーケット・ビルダージャパン(BMBJ)が24年3月以降、Bラボの公式パートナーとして活動している。認証企業との連携を通じて「世界経済のシステム変革」を目指す。
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「Bコーポレーション」(以下、Bコープ)は、06年にアメリカでスタートした、ビジネスを通じて社会を変えるムーブメントです。社会性と利益を両立する事業を展開する企業に対して、社会的・環境的パフォーマンスや透明性、説明責任などについてBラボが設定した「Bインパクトアセスメント」(BIA)をクリアすることで取得することができる認証です。
現在、Bコープ認証はパタゴニア、オールバーズ、ダノンといったグローバル企業との連携を通じて、欧米を中心に世界で着実に認知度が向上しており、多様な業種で注目を集めつつあります。現在、世界100カ国以上の国、160以上の産業、9500以上の企業が取得しています。日本でも50社以上が取得しており、繊維・ファッション関連では、CFCL、アドアーリンク、アーチ、アンドゥアメット、アルティコ、エヌ・ケー、エイチ・カツカワ、シルクウェーブ産業、リユース事業のエコリングなどが参加しています。
BIAは、事業に関わるすべてのステークホルダーへのインパクトを測定し、企業の社会的および環境的なパフォーマンスを評価、管理するためのツールです。具体的には五つの評価分野があり、「ガバナンス(企業統治)」「ワーカー(従業員)」「コミュニティー(地域社会)」「エンバイロメント(環境)」「カスタマー(顧客)」に分かれる、約200問の設問に回答し、スコアがつけられます。このスコアが「最低80ポイント以上」であることが、Bコープ認証を取得するために必要な水準となります。
第三者による厳しい審査によって取得されるBコープ認証には、いくつかのメリットを挙げることができます。具体的には、認証企業の人材確保と維持、ビジネスの差別化と信用の構築に寄与します。定期的にパフォーマンスを計測して自社の取り組みを改善でき、メディアに取り上げられ企業の認知を高めることもできます。経済的価値と社会的価値の両立を示すことで若い世代に会社の姿勢をアピールすることができ、採用活動にも活用できます。
Bコープを通じて、地方の中小企業でもコミュニティーの一員になれます。より多くの企業とグローバルなコミュニティーを築き、単独企業だけでは成しえない経済システムチェンジの活動を推進していきます。
(繊研新聞本紙25年3月31日付)