【ファッションとサステイナビリティー】レジ袋有料化始まる 広がるエコバッグ 環境対応素材などで社会貢献

2020/08/26 06:00 更新


 7月1日からレジ袋の有料化がスタートした。ファッション業界でもこれに対応した動きが活発化、6、7月の繊研新聞紙面でもレジ袋有料化対応、エコバッグの新商品発売などを紹介する記事が目立った。環境対応素材使いなどを中心にその一部をダイジェストでまとめた。

再生原料使い

 日本百貨店協会はレジ袋削減の一環として、業界統一のエコバッグ「スマート・クール・バッグ」を全国の百貨店で販売を始めた。容器包装の適正化、包装材使用量の削減に取り組む。エコバッグは保冷タイプ。イラストレーターの井上リエさんがデザインし、2柄を揃える。売り上げの一部は沖縄県サンゴ礁保全推進協議会と海洋ごみ問題に取り組むJEANに寄付する。

 日本環境設計とスノーピーク、東日本旅客鉄道(JR東日本)は、ペットボトルを原料にしたリサイクル素材で作ったエコバッグを企画・制作した。JR東日本グループが運営するコンビニエンスストアなど21社の一部店舗で、条件を設けて16日から50万点を配布する。デザインはスノーピークが監修した。このエコバッグは、日本環境設計が展開する「ブリング」ブランドと「スノーピーク」とのダブルネーム品。7月1日から義務化されるプラレジ袋の有料化実施を前に、レジ袋削減への理解促進を狙う。

無料配布の取り組みも

 しまむらは7月1日以降もレジ袋無料を継続する。一方、買い物袋の買い取りを復活する。同社はレジ袋をプラスチック製買い物袋有料義務化制度の対象外のバイオマスプラスチック25%以上配合のものに置き換えてきた。一部サイズで紙袋を使うことで全てが対象外になるため、有料化しないことにした。消費者に負担をかけない形で制度に対応し、新型コロナウイルスの影響で中止していた買い物袋の買い取りも再開する。無料配布した買い物袋を1枚1円で回収し、集まった買い物袋は資源として再利用している。

 アダストリアはCSR(企業の社会的責任)活動の一環で7月1~14日、残反を再利用したオリジナルエコバッグ50万枚を1300店で無料配布する。プラスチック製買い物袋(レジ袋)有料義務化を機に、「エコバッグを持って服を買いに行く新しいファッション行動スタイル」の浸透を目指す。5月には「自社衣料在庫の焼却廃棄ゼロ」も宣言し、「作り過ぎない・残さない・値引きを抑える」サステイナブル(持続可能な)経営も鮮明にした。「新しいファッションのワクワクした活動を通じて、『衣料廃棄ゼロと営業活動の両立』をしていくのが私たちの未来創造」としている。

アダストリアのエコバッグ

 JR仙台駅ビルのエスパル仙台は7月1日、本館地下1階の食料品「エキチカキッチン」集中レジでバイオマスプラスチック製レジ袋を導入する。19年4月の改装オープンを機にレジ袋の有料化に踏み切っており、19年度で前期から8トン分のレジ袋を削減しているが、3円、5円で販売しているレジ袋も変えてさらに環境負荷を低減する。レジ袋の販売利益は県産木材使用促進や森林の役割の啓発活動に生かしている。

 近鉄百貨店は、全店で使用するレジ袋、食品用クラフト手提げ袋を環境に配慮した素材に切り替えて、7月1日から有料化する。レジ袋は、植物由来のポリエチレンを50%配合した。

 川辺は20~21年秋冬向けで、今春から強化しているエコバッグを充実した。サステイナブルな視点で採用した再生素材や、メンズ向けのデザインに注目だ。日常使いしやすいデザインにもこだわった。今回、コーヒー豆が原料の生地「カフェライズ」を新たに使った。この素材はコーヒーショップから回収したコーヒー豆の残りかすで作る。通常は廃棄される資源を再利用するうえ、素材の生産過程で無駄な炭素も生み出さないため、地球環境に優しいのが特徴。

 サマンサタバサジャパンリミテッドはバッグブランド「サマンサタバサ」から、8月26日に大容量のエコバッグを発売する。回収したペットボトルを再利用したポリエステルを使用した。


(繊研新聞本紙20年8月24日付)

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