帝人フロンティアは活動指針だった「シンクエコ」を今期、環境戦略に格上げした。三つの重点目標「素材からエコにこだわろう」「きれいな空気と海を守ろう」「省エネな毎日を送ろう」を掲げ、それぞれ30年に達成する数値目標を設定した。
素材からエコにこだわろう、では再生原料を積極的に使ったり、自然界にあるものを生かした素材を開発する。例えば通常のポリエステルからリサイクルポリエステル「エコペット」に置き換えるなどで再生原料を使った商品を全体の50%にまで引き上げる。
エコペットは再定義し、リブランディングした。これまではペットボトルを再生したポリエステル繊維を指したが、リサイクル技術により再生されたポリエステル繊維やそれを用いた製品までを含む総合ブランドに生まれ変わった。またこれまでは同社直系の工場で生産するものだけをエコペットとしてきたが、今後は監査をクリアしトレーサビリティー(履歴管理)を確保できたOEM(相手先ブランドによる生産)工場にもエコペットブランドの使用を許可する。
エコペットは誕生から今年で25年。さまざまな技術課題を克服し「超異形断面糸やナノフロントのような超極細ナノファイバーなど全ポリエステル素材をリサイクル原料で作れるようになった」。技術力とノウハウの蓄積で差別化する。
「環境戦略を武器に、顧客との取り組み型を進めるなど勝ちパターンを作りたい」と社内での教育や啓発活動に力を入れ、全社員の取り組みにする。
(繊研新聞本紙20年11月25日付)