ランニングシューズを巡るスポーツメーカー各社の競争が激化している。大手企業だけでなく、日本勢や欧米新興ブランド、老舗メーカーが相次ぎ製品開発とマーケティングを強化。マーケットは活性化し、スニーカートレンドにまで影響を与えるようになった。円安・インバウンド需要の追い風を得ながら、いまや日本は世界で最も勢いのあるランニングシューズの消費大国になりつつある。
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性能が拮抗
26年1月の「箱根駅伝」は、ランニングシューズの多様化を印象付けた。21年はナイキ一色(シェアは95.7%)に染まっていたが、その後他のメーカーも巻き返し、26年は主に4ブランドに分散した。

実はソール材の供給元は2~3社に限られ、どのメーカーも同じ所から調達している。そのため材料の配合や発泡率、混ぜ方などレシピとソールの形状を工夫し他社と差別化を図るが、「トップ製品の差は感じづらい」(業界関係者)と言われるほど性能は拮抗(きっこう)している。
そうなると選手はブランドへの信頼度や愛着が着用の決め手になる。前回大会から最も着用シェアを伸ばしたプーマは、「『ファストアールニトロエリート3』(25年発売)などプロダクトが支持された」(プーマジャパンランニングカテゴリーMDの安藤悠哉さん)ことを踏まえつつ、日常的に選手のもとに足を運び、ニーズを吸い上げ、信頼を得てきたスポーツマーケティングの成果を誇る。毎年夏には合宿中の選手がリカバリーやリラックスできる施設「プーマランニングハウス」を長野・菅平に設け、タッチポイントを増やしている。

世界記録に
メーカー各社が製品開発とマーケティングを強化したことによって、国内のランニングシューズ市場は活性化。その規模は拡大している。
