スパンデックス「ライクラ」を製造販売する東レ・オペロンテックスは、環境に配慮した素材の展開を強めている。ラインナップを拡充している原着糸のほか、植物由来の原料を使ったスパンデックスの開発も進める。
原着糸は、糸の製造段階で色剤を練り込んでおり、生地、製品段階の染色プロセスを省いてエネルギー消費を抑えられる。黒、肌色などを展開し、実績を積む。
新たに検討するのが、植物由来原料を使ったスパンデックス。生産技術は確立済みで、原料調達がネックになるが、東レと並ぶ親会社のライクラとも連携して原料のスケールメリットを追求し、来年の量産化を目指す。
スパンデックス以外も、植物由来の原料で作るPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)繊維「T400」を製造するが、PTTとコンジュゲートのポリエステルもリサイクルに置き換えたものをこのほど開発した。
製造プロセスでも同社滋賀工場では省エネ、温水の回収再利用、電球のLED化などに取り組む。また、糸を巻く紙管も販売先から回収、再利用したり、糸くずをポリマーに戻すといった廃棄物のゼロエミッションも継続的に取り組んでいる。
(繊研新聞本紙19年12月4日付)