【ファッションとサステイナビリティー】中田工芸社長 中田修平さん “働きやすさ”も“働きがい”も

2023/12/26 05:29 更新


中田修平さん

 木製ハンガーの中田工芸(兵庫県豊岡市)は、社員が働きやすさと働きがいを実感できるよう工夫を凝らす。技術を支え、営業にいそしむ社員のモチベーションに目を向け、気持ち良く働き続けてもらうことが会社の維持・発展につながると考えるからだ。

【関連記事】中田工芸 超一流が認める木製ハンガーの匠 連綿と継承される技、これからも

 今年は評価制度を変えました。KPI(重要業績評価指標)として設けていた数値目標をやめました。わかりやすい指標ですが、数字を追い続けるのは持続可能な働き方なのか。私は仕事を長く続けてほしい。そのためにどんな評価をすればいいか熟考を重ねました。

 数値の代わりに評価の対象にしたのは〝行動〟です。いい結果を出すために正しい行動をしているのか、これを評価することにしました。例えば「気持ちの良いあいさつ、会話ができているか」のようなことです。定量的に明確な評価は難しいですし、ビジネスには数字が当然つきまといますが、「数字の責任は経営者である自分が持つ」「みんなは正しい行動を心がけてほしい」と伝えています。

 仕事と家庭のバランスにも気を配っています。かつては繁忙期に長時間残業をしていました。今は家族との時間を大事にしたい社員が多い。しっかり働き、定時にはパッと帰って自分の時間や家族との時間を大事にしてほしい。そのためにこの数年で生産性を向上させ、残業は減りました。

 とはいえ、働きがいもなければ個々人の成長意欲に応えることができません。製造部門にとっては、自分たちが作ったハンガーをどのような人に使われているか見えることが一つの働きがいになっています。この数年で多様な顧客が国内外に広がり、その機会が増えてきました。最近では海外のVIPが指名買いするケースも出てきた。そういう情報を製造部門にも共有し、働くモチベーションになればいいなと思っています。

 営業部門ではIターンで入社した20代の女性社員が2人いて、海外向けの販売やPR業務を任せています。「海外に関わる仕事がしたい」「語学を生かしたい」という希望に応えました。

 今後の重要な課題はジェンダーギャップの解消です。当社の管理職には女性がいません。それによって役職者の多い男性と女性との間で賃金に差が出てしまいます。まずは女性からも管理職が生まれる会社にしたい。そして賃金の差も小さくしていきたい。ジェンダーを問わず能力、意欲で公平に評価するという前提で、キャリアアップをサポートする会社の仕組みを整えていきたいと考えています。

ファッションとサステイナビリティー トップへ

(繊研新聞本紙23年12月26日付)

関連キーワードサステイナブル



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事