【ファッションとサステイナビリティー】オールユアーズ代表取締役兼製品開発総責任者 原康人さん 作る物に責任持ち処分から逃げない

2021/10/27 05:29 更新


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原康人オールユアーズ代表取締役兼製品開発総責任者

 機能的な日常着を企画・販売するオールユアーズ(東京、木村昌史、原康人代表)は9月、衣服を循環させ、ごみを生まない仕組み「環す」(まわす)を開始した。客が着なくなった自社製品を回収・修理し、再販売する。再販売できない製品は、磁力を利用した有機物分解処理を施し、セラミックスの灰に変え、再資源化する。分解処理はTOSS(トス、神奈川県相模原市)と提携し、磁気熱分解装置の販売権や代理店の指名権に関する契約を結んだ。分解・再資源化の仕組みは、幅広い事業者に開放し、業界内外に協力者を募る。

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 大手カジュアルチェーン専門店から独立し、「トレンドによって買い替えを促すビジネスではなく、長く愛用される製品を作り、届けたい」という思いから、15年にオールユアーズを立ち上げました。設立時から「作ったものに責任を持つ」という精神のもと、メーカーとして物作りに臨んできました。

 3年前からはリペアやカスタムのサービスも始めました。しかし、ユーザーが1万人を超えるとともに、製品寿命の長さも相まって、体形やライフスタイルが変化した顧客から「服を手放したい」という声も聞かれるようになってきました。

 当社の精神に基づいて最低限できることは、①自社製品を可能な限り長く使ってもらう②自社製品を作る過程で生じるごみや作った製品をごみにせず、次につなげる――だと考えています。①については、リペアやカスタムに加え、このほど始めた回収・再販売で解決できますが、②に課題を感じていました。そうしたなか、友人の紹介を受けて、磁力を利用した有機物分解の処理方法を知りました。

 同処理は電力こそ必要ですが、化石燃料を用いた焼却処理に比べて環境負荷が低いです。同処理は有機物に対して有効で、1日に最大300キロの衣服をおよそ200分の1の容積に減少させることができます。生地や縫い糸、製品タグの混率は問わず、金属製の付属品の取り外しも不要です。金属製の付属品は原型をとどめたまま、分解されずに出てきます。

 分解によって生じた灰の再利用方法は、現在外部の企業とも連携しながら研究を進めているところです。陶磁器やセメント、衣類の再生繊維の原材料などとしての再利用を想定しています。

 この処理・再資源化は、当社だけで独占・完結させるのではなく、幅広い事業者と共同利用できるようにしたいと考えています。分解装置は1台が約2000万円と小規模事業者にとっては高価なため、施設や組合などが共同での保有・設置に前向きになってほしいです。当社単独での装置の営業・販売にも限界があるので、販売代理店なども募りたいと考えています。

 物を作る以上、処分からは逃れられません。ファッションビジネス業界は、現実をきちんと受け止めて、処分としっかり向き合う必要があると感じています。

このほど開始した「環す」(まわす)の仕組み

(繊研新聞本紙21年10月27日付)

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