【ファッションとサステイナビリティー】ダイワボウレーヨン 不要な綿布・製品を再利用

2020/11/30 05:00 更新


 レーヨン短繊維メーカーのダイワボウレーヨンは、サステイナブル(持続可能)な素材開発を強化している。レーヨンは木材パルプから作られる再生セルロース繊維で、生分解性を持つ環境配慮型の素材だ。同社のレーヨンは全てFSC認証を取得。トレーサビリティー(履歴管理)が保証された透明性の高い原料を使い、高品質を安定供給できるという。繊維のカット長、繊度などを要望に応じて作る多品種、小ロット対応や、練り込み技術による機能付与も強みだ。

 重点素材の一つは、デニムパンツやTシャツの古着など不要になった綿の製品や端材を再利用したレーヨン「リコビス」。木材パルプ由来のFSC認証レーヨンを75%、残り25%は繊維製品を化学的に分解してセルロースだけを脱色して取り出し、各工程を経て国内の自社工場でレーヨンに再生した物を使う。

 このほど量産技術を確立し、レディスのインナーやアウターウェア用途を中心に提案を始めた。今後は極細タイプや機能付与したタイプを開発し、バリエーションを広げる。さらにグループ内連携により、糸、生地、製品まで独自の開発を強化する。

 このほか、海洋生分解性レーヨン「エコロナ」は8月に製品の海洋生分解性を証明する国際認証「OKバイオディグレイダブル・マリーン」を取得。生分解性試験、化学試験、水中生物に対する毒性試験を各専門機関で実施し、基準を全てクリアした。

デニムの端材など不要になった綿製品を再利用する「リコビス」

(繊研新聞本紙20年11月25日付)

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