アウトドアフィールドの保全活動団体などを支援する一般社団法人コンサベーション・アライアンス・ジャパン(CAJ)が今年、創設20周年を迎える。今後、助成金額の引き上げや助成対象の範囲拡大に向け、加盟企業を増やす。
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CAJは89年にアメリカで創設されたコンサベーション・アライアンス(米CA)をモデルに、00年7月にできた組織です。加盟企業の売上高規模に応じて年会費を集め、環境保全のために草の根で活動している団体を資金面で支援しています。申請は年に2回受け付け、会員で構成する審査会で助成可否を決めています。これまで163の活動・プロジェクトに計8200万円以上を拠出してきました。現在、会員企業は過去最高の20社・25ブランドです。
設立後しばらくは、知名度の低さから助成申請がなかなか集まりませんでしたが、この1、2年は申し込みが増え、直近で受け付けた申請数はこれまでに最も多い35件でした。支援先は、登山道やクライミング壁の整備、希少種生物がいる自然地区の保護活動などが中心です。
CAJがユニークなのは、会費額の大小や加盟年数にかかわらず、発言権・投票権が等しく与えられ、会費の100%を助成金に充てていることです。審査会では毎回、活発で健全な議論がなされ、決してどこかに利益を誘導することはしません。17年に(「キャンプハック」などのウェブメディアを運営する)スペースキーが参画したことで、事務局機能が強まり、19年には法人化を実現し、ガバナンスも整いました。
今後は活動をさらに活発化します。米CAは230社が加盟し、素材メーカーなども名を連ねています。日本でも25年までに加盟数を100社または100ブランドまで引き上げたいと思っています。今、アウトドア業界ではCAJに入ってないとまずい、という機運が生まれつつありますが、これを素材メーカーや商社など、「川上」の業界にも広げたいのです。
助成対象も、フィールドの保全を中心としたものから、地球規模の喫緊の課題、つまり気候変動に対してアクションを起こしている活動にも広げたいですね。1件あたり50万円を上限としていた助成金額は、活動の規模・内容に応じて引き上げ、この2年、300万円にとどまっていた年間の助成金額も、25年までには2500万円規模にしたいと思っています。
(繊研新聞本紙20年4月28日付)