クラボウの裁断くずをアップサイクルするプロジェクト「L∞PLUS」(ループラス)が広がっている。このほど、エドウインとデニム裁断くずを使ったプロジェクトを発表、専用の再生ラインを安城工場に設け、20年度の販売に向けて準備を進める。
ループラスは裁断くずを反毛機にかけてわた状に戻し、糸、生地、製品に生まれ変わらせる取り組み。事業化には、安定的な原料の調達が欠かせないため、国内縫製で複数の拠点を持つエドウインに打診し、両社で方向性が合致した。
エドウインの国内工場で出る裁断くずは年400トン。このうち、綿100%と、反毛プロセスで分別可能な綿・ポリウレタン混のみ使用し、バージンコットンと混ぜて紡績糸にする。濃色のデニムは反毛機にかけると移染の恐れがあるため、囲いをつけた専用設備を設け、年明けにも稼働する予定。ループラスで再生した糸を使い、再びエドウインが商品化して販売する計画で、アイテムなどは今後、詰めていく。
これを契機に取り組みを広げていく構えで、裁断くずの処分費用を削れる点や、企業イメージ向上にも貢献する取り組みとして訴求していく。
(繊研新聞本紙19年12月4日付)