【PR】オールバーズがカーボンフットプリントの製品表示を業界に提唱

2021/05/26 00:00 更新


 米サンフランシスコ発のシューズブランド「Allbirds(オールバーズ)」が、ファッション業界にカーボンフットプリント(CFP)の製品表示をするよう呼び掛けている。同社はCFPを算出できる「ライフサイクルアセスメント(LCA)ツール」を独自に開発しており、それを4月にウェブ上で公開。食品のカロリー表示のように、ファッション製品にもCFPの表示が当たり前となる世界を目指す。

■「測ること」は「減らすこと」

 CFPとは、製品の製造から廃棄までに排出される温室効果ガスの総量を二酸化炭素(CO2)に換算したもの。オールバーズは創業以来、素材の調達や製造過程などで温室効果ガスの削減に努めており、その前提にあるのは、「数値化して把握できなければ減らすことはできない」との考え。そこで同社では、CFPを正確に算出するLCAツールを専門家と共同開発。20年4月からオールバーズの全製品に、素材・製造・洗濯・廃棄の各段階でどれだけCO2を排出しているかを示したラベルを付け、消費者に公開している。

 もっとも、CO2の排出削減には1社だけの行動では限界がある。そのためオールバーズは21年4月、フットウェアメーカーをはじめとしたファッション業界に、CFPの算出と公開に取り組むことを広く呼び掛けた。さらに、CFPを計算するためのエクセル表とスタードガイド、CFP公開のためのラベルデザインもウェブ上(FreeTheFootprint.com)にアップし、大きな反響を呼んでいる。

こうしたラベルデザインも提供している

■「モノを買う基準」を変える

 オールバーズが目指すのは、消費者がカロリー表示を意識しながら食品を買うように、ファッション商品もCFPの製品表示を気にしつつ購買するようになること。そうすれば、メーカーの「モノを作る基準」も変わり、温室効果ガスを出さない方法を工夫するようになると期待している。

 CFPの製品表示をファッション業界に呼び掛けているのは、「石油を主原料とした素材を多用している産業だから」ということだけが理由ではない。オールバーズでは、ファッション業界の強みを生かせば、気候変動や地球環境問題に対して、効果的なアプローチができると考えている。オールバーズのサステイナビリティマネージャー、ハナ・カジムラさんは、次のように話す。

 「確かにファッション業界が手を動かして気候変動を解決することはできませんが、ファッション業界はマーケティングやストーリーテリングで卓越した技術を持っています。気候変動や環境問題のトピックスについて、ファッショナブルなものとして世の中に働きかけることができ、私たちとしてはそこに大きな可能性があると見ています。だからこそ、ブランドとして今すぐに、製品すべてのラベルにCFPを表示すべきなのです」

こうした考えに立ち、オールバーズでは今後、LCAツールの活用拡大に向け、様々な施策を講じていく方針だ。中小規模のブランドに対しては、ウェビナーなどを通じてLCAツールの使い方をレクチャーするトレーニングプログラムを始める。一方、大手ブランドに対しては、20年からパートナーシップを組むアディダスとの連携を強化。現在、同社と共同開発している製品にCFPを表示する計画だ。

オールバーズを共同で創業した二人

■Allbirdsとは

 サッカーの元ニュージーランド代表のティム・ブラウンと、バイオテクノロジーの専門家であるジョーイ・ズウィリンジャーが、16年に米サンフランシスコで立ち上げたブランド。年間200億足もの靴がプラスチック由来の原料で製造され、大量に廃棄されるあり方に疑問を持ち、その解決のために会社を起こした。

 代表作は、アッパーに最高級のメリノウールを使った「ウールランナー」。保温性・通気性・防臭性に優れたメリノウールが柔らかく足を包み込むとともに、シューレースに再生ポリエステル、インソールにヒマシ油、靴底にはサトウキビから生まれたフォームを用い、徹底的に環境に配慮したモノ作りを実践している。ちなみに同シューズは、洗濯機で丸洗いできる点も共感を呼んでいる。

メリノウールなど自然由来の素材ばかりを使うウールランナー

 オールバーズは、環境負荷の低い新素材の開発にも力を入れている。最近では、原料の一つに大豆を使った100%植物由来の代替皮革「プラントレザー」の開発に成功。カーボンインパクト(二酸化炭素による環境への影響)を、従来の天然皮革の40分の1、合成皮革の17分の1に軽減する効果があるという。

オールバーズではプラントレザーの特許を取得せず、オープンソース化した

■お問い合わせ先

https://allbirds.jp/

企画・制作=繊研新聞社業務局

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