【PR】旭化成が世界で唯一生産するキュプラ繊維「ベンベルグ」 文化服装学院の学生がベンベルグの魅力をオンラインで体感

2021/09/29 00:00 更新



 旭化成はキュプラ繊維「ベンベルグ」事業で、次代のファッションビジネスを担う学生らへのサポートを国内外で強めている。日本ではこのほど、文化服装学院の学生に向けてベンベルグのレクチャーを実施、東京にある常設展示会場「ベンベルグ裏地ミュージアム+」とオンラインでつなぎ、ベンベルグの魅力やサステイナビリティー(持続可能性)の重要性について伝えた。

環境に優しい、ベンベルグのライフサイクル

●世界各国で学生の学びを支援

 ベンベルグは世界で唯一、旭化成だけが生産するキュプラ繊維。植物を原料にした再生セルロース繊維の一つで、吸放湿性に優れ、生地は触り心地がなめらかで上品な光沢を持つ。ドイツからの技術導入によって宮崎県延岡市で生産を開始してから、今年でちょうど90年の節目を迎える。

 シルクに代わる素材としてインドの民族衣装のサリーやデュパタに使用されるほか、快適性や風合いの良さを生かしたインナーウェア、ピーチ調の加工を施したアウターウェアなど幅広い用途で使用されている。そして長年、支持されているのが裏地用途だ。滑りの良さや静電気防止などの機能性に優れており、紳士や婦人の高級裏地として使われる。

 こういったベンベルグの良さをファッションやデザインを学ぶ学生に伝えることで、若者の学びに貢献し、将来、プロとして仕事をする際にも積極的に選んでもらいたい狙いがある。旭化成はイタリア、ニューヨーク、上海、インドなど各国で授業を行い、ベンベルグの魅力を伝える活動を行っている。

昨年はイタリアのビエラで学ぶ学生と日本の学生のWEB交流会を行った

今回の文化服装学院の学生へのレクチャーは裏地用途を中心に紹介。服作りの基礎から応用までを1年で学ぶ「服飾研究科」に所属する67人を対象にした授業で、以前は旭化成の担当者が学校に出向いて行ったが、コロナ下のため、昨年に続いて今年もオンラインでの開催となった。

 学生はここまでのカリキュラムでパンツ、スカートを制作し、裏地を扱った経験もあるが、秋はさらに本格的な洋服としてジャケットの制作に取り掛かる。そのためにも今回の授業で裏地の基礎知識を深めるのが狙いだ。指導教員は、「学生は素材の知識に乏しく、素材からデザインにつなげていく発想が不足している。洋服の見た目だけでなく、機能性を考えたり、素材が作られるプロセスを知ることで意識が変わっていくことに期待している」と話す。

●サステイナブルで機能性にも優れる

 レクチャーではまず、旭化成繊維マーケティング室の前田舞子アソシエイトチーフコーディネーターが、ベンベルグの歴史や特長について紹介。綿の種の周りの産毛であるコットンリンターを原料にした天然由来の繊維であることや、同じ再生セルロース繊維の仲間であるレーヨンなどと比べて断面が真円に近く、これが上品な光沢を生み、生地が滑らかな触り心地になることなどを伝えた。

レクチャーではまず、ベンベルグの歴史や特長について紹介

 また近年では、サステイナブル(持続可能な)やSDGs(持続可能な開発目標)の観点からもベンベルグが注目されていることを強調。綿実油を作る際の副産物であるコットンリンターを有効利用した再生セルロース繊維で、土に埋めると微生物の力で短い期間で分解され、リサイクルに関する国際認証のGRSや、生分解性認証なども取得している。

 生産時の環境負荷も抑え、ベンベルグ工場のある延岡地区では、使用する電力の約4割を水力などの再生可能エネルギーでまかなっている。廃棄物をなくすゼロ・エミッションにも取り組んでおり、リンターくずはキノコの栽培床に、繊維くずはバイオマス発電の燃料に活用されている。

 今回のメーンテーマである裏地用途の話では、そもそも裏地には表地を守ったり、シルエットを保持、着やすくする、表地の透けを防止するといった役割があることを押さえ、ベンベルグならではの特長を紹介した。ベンベルグ裏地ミュージアムから配信を担当した先生がジャケットを試着し、ポリエステル裏地とベンベルグ裏地を比較、ベンベルグは生地表面が滑らかですっと腕が通り、着衣時にもこすれ音がほとんど出ず、「全然違う!」と体感を学生に伝えていた。

 また静電気の発生しにくさもテスト。一つはポリエステル、もう一方はベンベルグの生地を重ねて十秒ほど揺らして手を解いたところ、ベンベルグはすぐに離れて下に垂れたのに対し、ポリエステルは貼り付いて数秒離れないままで、リモートの実演でも機能性の違いがよくわかった。

画面の向こうにいる学生に、試着シーンも交えて裏地の役割を説明

 ●裏地のこだわりは商品の良さを表す

 裏地ミュージアムには多くの有名ブランド、デザイナーらが実際に裏地に使用したベンベルグの商品がアーカイブされており、ブランドのロゴやモチーフをジャカードで織り込むなど、ファッションの表現手段としての裏地の重要性も見せた。最後に前田コーディネーターは、「ベンベルグ裏地はポリエステルの3倍ほど高いもの。表地に対して裏地は原価を抑えられがちだが、そこにベンベルグを使っているという事は見えない部分もこだわった商品ということ。店頭で品質表示タグを見て、確かめてほしい」と締めくくった。

 講義を聞いた学生からは、「裏地は外見ではわからない着心地を良くする役目があり、見た目やシルエットにも影響すると知った」「これまでの制作で表地を縫うだけで大変と思ったが、裏地にも大事な役割がある。色柄だけでなく、何が使われているかも意識してこれから服を選びたい」「ベンベルグは化学繊維なので石油で出来ていると思っていたが、サステイナブルな素材」といった感想が寄せられた。

裏地ミュージアムには多くの有名ブランド、デザイナーらが実際に裏地に使用したベンベルグの商品がアーカイブされている

◆旭化成「ベンベルグ」のホームページはこちらから

(企画・制作/繊研新聞社 業務局)

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