繊研plusメールマガジン読者、SNSフォロワーが選ぶ「2023年、印象に残ったワード」ランキングが決定しました。
2023年に繊研plusに掲載された記事や検索ワード、記事ランキング、SNSなどから候補となるワードをピックアップし、メルマガ会員とSNSフォロワーの皆さんに投票していただきました。
長く続いた外出制限が緩和され、新型コロナウイルス流行前以上に街に活気が戻った2023年。様々な影響を受け、ファッション業界でも多くのトピックが目を引きました。
2023年、みなさんの印象に残った言葉とは?1位から順番に見ていきましょう。
■1位:物価高・値上げ
1位は「物価高・値上げ」。インバウンド(訪日外国人)客や外出需要により消費が回復する一方で、物価の高騰が景気回復の足かせとなりました。ロシア・ウクライナ情勢や円安の進行などの影響で物価高が進み、それに伴い様々な商品・サービスで値上げ傾向が続いています。
アンケートでは「自社の商品も値上げに踏み切った」「生活に影響が出た」「物価が上がり続けるが、手取りは減っていて生活できない」など、仕事でもプライベートでも影響を受けたという声が多く集まり1位となりました。
【読者からのコメント】
- 国民全員に関わるから
- 生活に直結することだから
- 全体的に物価が高くなっても、衣料品の上代は上がらないので
- 各社値上げが進んでおりますが、ずっと拒んでいた弊社ブランドもついに値上げに踏み切ることになりました
- 1年を通して値上げのニュースが続き、生活必需品ではないファッションアイテムの購入に少なからず影響を与えたのではないかと思う
- とにかく、ニュースで聞かない日がなかった気がします
- 資本主義の限界
- 単純に自分の生活にも大きく関わる事だから
- お金は大事
- 今最も深刻だから
- ニュースで毎日聞いています。給与が上がらずに手取りだけは下がっていく世の中で、これまでにない物価の上がり方は異常な世の中だと思います。生活できません
- 毎日見聞きしたため
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■2位:生成AI・チャットGPT
2位は「生成AI・チャットGPT」がランクイン。繊維・ファッション業界だけでなく、様々な業界で盛り上がる生成AI(人工知能)の活用に関心を寄せる方が多かったようです。チャットGPTは、昨年11月にAI(人工知能)による自然言語処理ツールをもとにしたチャットコミュニケーションサービス。「今年に入って認知度が上がった印象」といったコメントも見受けられました。
【読者からのコメント】
- いままで当たり前に人がやっていた事が簡略化されるなど、使い方次第で今後よりいろいろと活用されていくものだと思うから
- 人類を脅かすAIとなるか、人類発展のツールと成し得るかの岐路として
- 生成AIが世の中に認知された年ではないでしょうか
- 今のところオモチャ
- 毎日見聞きしたため
- 業務内容に影響した
- 新聞やネットでやたらと目にしたキーワード
- 業務に早速利用したから
- 今は書類作成に使っているが、この先はどこまで進化するかと思うと、戦慄を覚える。
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■3位:5類移行
3位は「5類移行」。新型コロナウイルス感染症が5月8日から5類に移行したことで行動制限が緩和され、外出機会が増加するきっかけとなりました。人流が回復したことで、ファッション消費にも回復傾向が見られました。
アンケートでも、「街の活気が復活した」「店舗での売上回復を期待」など、前向きなコメントが多くあがりました。
【読者からのコメント】
- 生活が変わったから
- 影響が大きかったから。2023年の出来事だったのね、とも思いますが
- 免罪符のような使われ方を感じた
- マスクなし、行動制限なしで街の活気が復活した
- やはり店舗での売上回復を期待
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■4位:そごう・西武スト
4位は「そごう・西武スト」でした。そごう・西武労働組合が8月31日に、百貨店事業の継続や雇用継続を求めてストライキを実施し西武池袋本店が終日臨時休館したことで話題となりました。翌日、セブン&アイ・ホールディングスは、子会社のそごう・西武を米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに売却しました。
大手デパートによる61年ぶりのストライキ実施は、「百貨店ビジネスの終わり」といった、時代の転換を感じさせるコメントが寄せられました。
【読者からのコメント】
- 百貨店の終わり
- 大型百貨店がストを決行したため印象に残った
- セブン&アイの対応が酷いと思ったから
- 百貨店には品格が必要だと思います
- 前代未聞のわりに、結果としてはあまり意味がなかったから
- 最寄りの駅が池袋の為
- 新宿伊勢丹の隆盛との対極で、路線の違いが際立つ
- 労使共に、生活者無視 味方によっては、百貨店廃業すべしくらい、情けない
- 大企業の経営陣と従業員とのコミュニケーションの無さを実感
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■5位:インボイス制度
5位は、10月1日から、消費税額控除の方式として開始された「インボイス(適格請求書)制度」でした。請求書のフォーマット変更などのシステム調整なども必要となり、多くの企業が対応に追われたのではないでしょうか。
「導入に四苦八苦している」「とにかく準備が大変」といった、制度への不満の声も見受けられました。
【読者からのコメント】
- 勤務先で対応していたから
- 仕事で四苦八苦しているから
- 他人事ではないから
- 業務上取り組まざるを得ないから
- 不利益を受ける人が多いので
- よくわからず自分にはあまり関係のない話だと思っていたら、経費計算の仕方がめんどくさくなったり意外と関係してたから
- 五公五民に達した税制が、さらなる圧政に踏み切るワード
- 業務委託にまで適応されたが、税務署の対応がダメ
- 準備が大変。政府が税金を取るためになぜ会社が経費をかけなければいけないのか、携わる人の手間(残業など)ばかり
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以上が、2023年に印象に残ったワードランキングでした。皆さんが印象に残ったワードはランクインに入っていましたか?来年はファッション業界でも明るい話題が増える一年となりますように!