関東私鉄大手9社の4~9月連結決算は、コロナの5類移行などにより人流が回復し、流通事業、不動産事業が改善傾向だった。一部の百貨店では大規模改装に伴う休業区画が発生し、減収になるところもあった。ただ、物価高騰や円安、エネルギー価格上昇などから先行きは不透明さも残している。
(小川敬)
【関連記事】関東大手私鉄9社の流通業・不動産業4~6月業績 鉄道利用客や人流の戻りで収益改善
東急のリテール事業を含む生活サービス事業は、営業収益2567億円、営業利益54億円で、前年同期比62億円の増収、10億円の増益だった。リテール事業の内、東急百貨店は渋谷の本店を閉店した影響や、たまプラーザ店、吉祥寺店などで自社売り場を賃貸売り場に変更した結果、営業収益282億円と32億円の減収になったが、運営効率を高めたことで営業損益は5億円の赤字にとどめた。本店閉店の影響を除く既存店ベースでは、賃貸テナントを含めた全店売り上げは前年を上回った。