マッシュスタイルラボは、商品形態の模倣を理由にEC「グレイル」の運営会社に販売差し止めと損害賠償を請求していた訴訟に関して1月30日に和解が成立したと発表した。グレイル側はマッシュに和解金3億円を支払った。マッシュの弁護を担当した墳﨑隆之弁護士は「国内の不正競争防止法関連の訴訟では最大規模の金額」と話す。
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21年9月ごろ、マッシュは顧客からの問い合わせにより「スナイデル」と酷似する商品をグレイルが販売しているとの情報を得て調査を実施。22年3月にアートデコ及び親会社のGio(ジオ=いずれも大阪市)に警告書を発送した。
スナイデルだけでなく「フレイアイディー」「スナイデルホーム」「リリーブラウン」など数百点の模倣が確認された。グレイルのサイト上では商品説明文の模倣や、マッシュの社員が自社店舗で撮影したスナップをそのまま転載していたケースもあったという。
最初の警告書に対してグレイル側が「模倣の事実なし」と回答したため、マッシュは22年6月に再度警告書を発送し、24年に訴訟を提起。相手側が欠席した第一審で勝訴した後、グレイル側が控訴し、係争が続いていた。26年1月に成立した和解で21~23年に販売した該当商品31点のうち特に「悪質」と判断された17点の販売を中止し、在庫を廃棄することになった。グレイル側が今後、マッシュの商品のデザインを模倣しないと確約することも和解条件に含まれる。

模倣品の価格帯は2000~3000円でマッシュ商品の3分の1~10分の1程度。新作の類似商品が同一シーズン内に販売される例も見られた。SNS上で両社商品を消費者が比較する消費者の投稿や動画も見られ、マッシュ側のブランド価値を毀損(きそん)するなどマイナスの影響もあった。
マッシュは本社の社員約550人のうち、143人がデザインに関わる仕事をしている。「クリエイターを多く抱える企業として、お客様からの信頼やブランド価値、無形資産を守るため厳正に対処した。ファッション業界の健全な発展のためにも今後も真摯(しんし)に対応する」と奥村健太取締役専務執行役員兼CFO(最高財務責任者)。
マッシュは15年、同社商品の模倣品がグレイルのオリジナル商品として販売されたとして刑事告訴。ファッション商品の形態模倣では国内初の刑事摘発に至った経緯がある。