昨年11月に公開されたAI(人工知能)による自然言語処理ツールをもとにしたチャットコミュニケーションサービス「チャットGPT」が話題を呼んでいる。米サンフランシスコのベンチャー企業、オープンAIが開発した、幅広い質問に対して即座に回答する無料プログラムだ。公開から数カ月でユーザー数は1億人以上となっている。
試しに「繊研新聞社の業績向上に必要なことは」との問いを投げかけると、数秒で以下の回答が出た。①コンテンツの質の向上②広告やオンライン・マーケティングなど、読者に記事を知ってもらうための手法を改善する③ウェブサイト、モバイルアプリ、ソーシャルメディアなどデジタルプラットフォームを最大限活用する④読者ニーズや行動パターンを把握し、適切なコンテンツを提供する⑤新しい収益源の開拓による収益の多角化を図ること――などと的確な指摘をする。
一方、仏の名門大学、パリ政治学院はこのほど、学生や教員に対してチャットGPTの利用を禁止すると発表した。不正行為や盗作を防ぐことを目的としている。米ニューヨーク市やワシントン州シアトルの公立学校でも使用を禁止した。
人工知能との共生という課題が身近になってきた。
(民)