25～26年秋冬デザイナーコレクションは、60～70年代調のレトロなスタイルが復活した。色あせたような小花柄のドレスにツイードジャケット、ビンテージショップにあるようなシアリングコート。茶系を基調にした温かみのある色合わせが特徴だ。
多くの有力ブランドが発表しており、ここ数年続くミニマルやスタンダードに並ぶ主力トレンドになりうる勢いがある。注目の理由はいくつか考えられる。
ストリートを背景にしたカジュアルスタイルが下火となるなか、きちんとしたフェミニンなファッションを楽しみたいというムードが高まっているのが理由の一つ。レトロなスタイルには、ハンドバッグやパンプスがよく似合う。改めてきれいなファッションが新鮮というわけだ。
世界的な古着ブームも背景にある。高騰するラグジュアリーブランドの服は、普通の若者が頑張って購入できるような価格ではなくなった。一方、古着はたとえ高価なブランドだったとしても現行品に比べれば現実的な値段。頑張れば手が届くものが多い。おしゃれな古着好きのファッションが、コレクショントレンドに影響した可能性は高そうだ。
都内では古着をおしゃれにキュレーションする店も増えており、若者や服好きが集まっているという。レトロファッションは、単なるトレンドではなく大きなうねりになるかもしれない。
