ものづくり最前線

世界に誇る「日本製」の技術と品質。ファッション業界で国内生産が減少するなかでも、国産の“ものづくり”にこだわり、技術を守りながら進化を続ける製造現場に光を当てます。現代の匠たちの情熱と挑戦、日本のものづくりの今と未来をお伝えします。

創業100年超の小倉織物 模様織り込むジャカード織り 得意の技術を伝統継承

2024/06/12

 創業100年を超える小倉織物(石川県小松市、小倉久英社長)は、日本では珍しい後染め洋装専門のシルクジャカードの工房だ。絹の高騰や人材不足などで厳しい状況の中、伝統と歴史の「100年を1000年に」するために、オリ...

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全国から依頼が来る伴染工 繊維の特徴が生きる「かせ染め」とは?

2024/05/29

 かせ染め専業の染色工場が伴染工(愛知県一宮市)。「かせ」とは素材品種によって一定の長さで巻き取った糸の束。紙管に固く巻き取ったチーズ染色が糸染めでは一般的だが、かせ染めは糸に過度なテンションをかけず繊維本来の特徴...



北陸三共生興 「レオナール」の特殊技術を守り、伝える

2024/05/15

 「世界一美しい」と称されるフランスのレディスブランド「レオナール」のプリント柄。そのプリントを最大限生かす縫製技術を守り、引き継いできたのが三共生興グループの縫製工場、北陸三共生興(福井県勝山市)だ。静かな縫製工...



群馬県太田市の地域ブランド「オオタニット」 産地の工場が連携し生産担う

2024/05/01

 地域ブランド「オオタニット」は歴史あるニット産地、群馬県太田市の服作りを伝えていきたいとの思いから20年に生まれた。元々、地元でセレクトショップを運営していたマウンテンディアーの山鹿雅明代表が協力し、地元に残るニ...



デサントアパレル西都工場 器用貧乏から脱却、競泳水着増産へ 接着縫製技術に特化

2024/04/17

 スポーツメーカーのデサントが、国内工場のブランド化を目指す動きを加速させている。子会社のデサントアパレルは、重衣料「水沢ダウン」を手掛ける水沢工場(岩手県)、ポロシャツを生産する吉野工場(奈良県)に続き、西都工場...



フレックスジャパン「ひなた工房双葉」 リメイク事業の発信拠点に

2024/04/03

 シャツメーカーのフレックスジャパンは昨年夏、東日本大震災による原発事故で大きな被害を受けた福島県双葉町の復興産業拠点に縫製工房「ひなた工房双葉」をオープンした。新事業のリメイクによる衣料品再生の発信拠点として工房...



ファッション向け真鍮金具メーカーの上白石 砂型鋳造ならではの質感打ち出す

2024/03/13

 上白石(東京、上白石守社長)は日本の数少ないファッション向け真鍮(しんちゅう)金具メーカーとして堅実に販売を伸ばしている。よりアーティスティックな商品開発に力を入れ、上質なファッションへの採用を広げるために発信を...



話題の「服の鉛筆」はどう生まれたか 縫製工場ミヤモリ、裁断くずを持続的な発展へ

2024/02/28

 裁断くずが鉛筆の材料に――。23年度の「日本文具大賞」サステイナブル部門の優秀賞に選ばれ、話題になった「服の鉛筆」。これを販売するのは創業58年の縫製工場ミヤモリ(富山県小矢部市)だ。同社は「地球温暖化に対し、縫...



詫間宝石彫刻(甲府)のクリエイション後方支援 天然石の魅力を引き出す伝統工芸の技

2024/02/14

 詫間宝石彫刻は、多くのクリエイター系ジュエリーブランドから支持される山梨・甲府のジュエリー工房だ。原石の買い付けから貴金属加工、宝石研磨、宝石彫刻の技術を内製化し、中でも祖業である甲州水晶貴石細工における宝石彫刻...



工房の職人技が生み出す〝アメカジの顔〟 フラットヘッド・ネクスト、革小物から革ジャンにも挑戦

2024/01/31

 フラットヘッド・ネクスト(長野県千曲市)は、丁寧なものづくりで多くのファンを抱えるアメカジブランド「フラットヘッド」の運営会社。千曲市内の自社工房では、熟練の職人が手作業を交えながら、ブランドの〝顔〟である革小物...