詫間宝石彫刻(甲府)のクリエイション後方支援 天然石の魅力を引き出す伝統工芸の技

2024/02/14 13:00 更新有料会員限定


 詫間宝石彫刻は、多くのクリエイター系ジュエリーブランドから支持される山梨・甲府のジュエリー工房だ。原石の買い付けから貴金属加工、宝石研磨、宝石彫刻の技術を内製化し、中でも祖業である甲州水晶貴石細工における宝石彫刻では、伝統工芸士でもある詫間康二社長をはじめ職人たちが腕をふるう。個性ある天然石の魅力を引き出し、ジュエリーブランドのクリエイションを支えている。

 甲府が一大ジュエリー製造産地となった起こりは、約千年前に水晶の原石が発見されたことに始まる。その後、天保年間に京都の「玉造」から職人を迎えて水晶加工の技術を習得、発展させていったものが甲州水晶貴石細工となる。

 甲州水晶貴石細工における宝石加工は研磨と彫刻に大きく分かれる。詫間宝石彫刻は、彫刻を軸に先代の詫間悦二氏がその叔父で現代の名工、詫間正一氏に弟子入りした後、1967年に独立、詫間宝石彫刻製作所を設立しスタート。主に美術工芸品の制作を得意としてきた。

加工中の水晶のショットグラス。工程として、石取り-絵付け-切込み-欠き込み-荒ずり-三番ずり-四番ずり-砂目取り-五番磨き-仕上げ磨き-洗浄-完成となる
完成したショットグラス

 ジュエリー製造は、ハイジュエリーメーカーで貴金属加工技術を磨いた次男の康二現社長が95年に参画し、徐々に増えていった。「ジュエリー製造というと、当時多くのブランドは海外で仕入れた中石を、デザインした外枠にはめて作っていた。でも、自分たちは石からデザイン、加工できる。その面白さにみんな気付いてないと思ったんです」(詫間社長)。甲州水晶貴石細工自体も、甲府を一歩出れば知る人は少ない。ならばと、インターネットに目をつけ、ブログなどでその技術や背景を発信し始めた。

伝統工芸士でもある詫間康二社長

クリエイターとの出会い

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