全国から依頼が来る伴染工 繊維の特徴が生きる「かせ染め」とは?

2024/05/29 13:00 更新有料会員限定


かせ染め専用機

 かせ染め専業の染色工場が伴染工(愛知県一宮市)。「かせ」とは素材品種によって一定の長さで巻き取った糸の束。紙管に固く巻き取ったチーズ染色が糸染めでは一般的だが、かせ染めは糸に過度なテンションをかけず繊維本来の特徴が出せるほか、意匠糸や太番手の糸にも対応できる。加工効率はチーズ染色に比べ劣るが、繊維の特徴を生かしたいとするデザインや企画には最適な加工だ。また合繊100%以外の常温・常圧で染められるものならば、どんな太さであっても、どんな複合素材でも染め上げられる点も大きい。全国でもまれになったこの加工法を求めて全国から加工依頼がやってくる。

一貫した加工方法

 伴染工は尾州産地の生地問屋、伴商事の加工子会社として1961年に設立。その後独立会社となって現在に至るが、創業時からのかせ染め加工を現在も営んでいる。

 伴昌宗専務は「繊維本来の風合いを最大限発揮するのがかせ染めだが、通常は用途や繊維品種を限った加工が多い。尾州産地のかせ染めの特徴は、天然繊維から合繊系までどんな繊維にも対応できるところ。尾州産地でもかせ染め専業はおそらく当社のほか、ごくわずかになった」と語る。

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