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メンズも良かった「プラダ」に期待大
小笠原 雑誌の編集者さんたちに、「今シーズンは何が楽しみなんですか」ってよく聞かれるんだよ。みんな楽しみがみえない。「セリーヌ」はフィービー(・ファイロ)が退任し、デザインチームが担い、さらにプレゼンテーションだし。あと、次はエディ・スリマンがやるからどうなるんですかってのも聞かれる。エディについて、女子はあんまり知らないから。だから、色々話してきた。
青木 うちでもしゃべって、というか書いてくださいよ。エディのどこに着目すればいいんですか。
小笠原 エディ・スリマンってどんな人、って聞かれたら…エディを日本で一番最初にインタビューしたのはおれなんだよね。98年と02年にインタビューした。最初の時、彼は丸坊主だったんだけど、他の(国内)メディアはその写真は持っていないんじゃないかなあ。08年はサン・ローランの最初の時、02年はディオ―ルに移った3シーズン目ぐらい。
―で、何を見たらいいの。このシーズンは有力デザイナーの交代も相次いで、狭間みたいなところがある?
小笠原 デザイナーが代わって玉突き事故みたいになってるから、狭間みたいなところはあるわな。
青木 フィービーがセリーヌを去り、そこにエディが加わって新しい姿を見せるのは次のシーズンですしね。「ジルサンダー」が新しくなって良くなった2シーズン目。ミラノで「トミー・ヒルフィガー」やるのは初めてで、ボッテガ(・ヴェネタ)はニューヨークでやりました。ニュース性をつくるために別の場所に行くのは流行りな気がしますね。
小笠原 ミラノに関してだけど、今回のプラダはいいような気がする。1月のメンズは久しぶりに良かったからね。それまでの1年半ぐらいは、グッチの勢いに押されている感じはあったから。
青木 グッチはお祭り騒ぎでしたからねえ。
小笠原 1月のメンズとプレコレクションは色んなプラダのアーカイブを引っ張り出してミックスさせたりとか新鮮だった。ある種、グッチ的とも言えるんだけど。
青木 見覚えのあるデザインがいくつかありました。
小笠原 同じプリントをミックスさせていた。おれが持っているハワイアンとバナナ柄が合体した、みたいなのが一杯出てて。まあ、ミックスセンスだよね。同時にコンセプチュアルなのがミウッチャらしい。もこもこのダウンジャケットを着た、倉庫の作業員みたいなのがモデルで出てきて、彼らがプラダのアーカイブを編集した、みたいなイメージ。ミケーレばりのミックス感もありながら、そこにミウッチャらしいコンセプチュアルな雰囲気を出して面白いショーだったなー。だから2月も期待できる。
青木 多くのデザイナーが出すミックススタイルー色柄のミックス、時代のミックス、テーストのミックスーとかありますが、とびぬけて面白くみえるのは、やっぱり、ブランドの魅力や背景が確立されているかによりますよね。
NEW! 18-19年秋冬ミラノ・コレクション プラダ(2/24)
―グッチはどう?
青木 結局、ミラノって、ここ数年、グッチとプラダなんですよ、見どころになるのは。初日のグッチがどうなるのか、楽しみ。グッチが面白いのは、コンセプチュアルとかフィロソフィーみたいなものではなく、「これ、かわいいいーでしょー」というものをギュッと集積していること。これが人の心に響いた。だから、上の世代も若い世代も着られる服が揃っていて、ビジネス的にもエンジョイできている。ファッション好きの人が根っこ持っている古着の可愛さやアンティークなモノの雰囲気がうまくミックスされたコレクション。しかも、これを毎シーズン変化させていて、色んな人の心に刺さってる。難しいファッションじゃないのが受けている背景だと思います。
小笠原 おれはもう飽きてるよ、ぶっちゃけw
青木 ただ、10年前とか20年前みたいに、みんなが毎シーズン全然違う新しいものを求めていないっていう時代背景もありませんか。
小笠原 それは時代背景のせいなのか、たまたま今、そういうクリエーターが居ないのか、どっちかわかんないよね。いれば、「おーって」なるだろうし。
青木 それはそうでしょうけど、こういう人も今求められている、っていうのもありますよ。
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NEW! 18-19年秋冬ミラノ・コレクション グッチ(2/24)NEW! 「グッチ」の展示会会場でひとこと(写真下、2/25)
小笠原編集委員 「グッチはもう飽きたかって思ってたけど、やっぱミケーレ面白い。プラダは、1月のメンズに続くスマッシュヒットでグッチを巻き返してるね」。
青木記者 「ミケーレは単純に可愛い!欲しい!って思わせるスタイルを維持しながら、プレゼンテーションでいつも新しい世界観を表現していました。毎回引きつけられます。ミケーレはほんとに服作りが楽しくてしょうがないって感じがします。プラダは、コレクションが始まるまでの導入から新作まで全部通してすごかった。会場近くの空き地に立てた巨大なネオンサインはめちゃくちゃカッコよかったし、新しいフォンダシオンプラダのピンクのエレベーターのモダンさに興奮気味でした。そこからのコレクションももちろん。ここ数年で1番好きなコレクションでした」。
NEW! ミラノフォトフラッシュ(2/23、写真下)
NEW! 18~19年秋冬ミラノ・コレクション ジル・サンダー(2/26)
NEW! 18~19年秋冬ミラノ・コレクション マルニ(2/25)
メンズとレディスを同時に見せる本当の理由
ーメンズとレディスを一緒に見せるブランドが増えているけど。
小笠原 経費の問題が一番大きい気がする。
青木 ユニセックスで見せる流れももちろんあるけど、経費の問題は大きいでしょうね。年間4回が半分になる。ケリンググループは意識してますよね。ボッテガしかりバレンシアガしかり。デザイナーも追い立てまくられることが減って時間に余裕が生まれる。
小笠原 それは違うんじゃない。プレ(コレクション)もあるし。デザイナーの時間の問題より、やっぱりコストの問題だと思うよ。
青木 うーん。
小笠原 あとは集客力の問題もある。メンズコレクション単体で集められる人数とウィメンズのそれとは違うもん。実際、メンズとウィメンズを一緒にみせて同じ世界観だからいいんだって言えるデザイナーはミケーレぐらい。ミケーレは確かに、メンズもレディスも関係ないような独特の世界だし、レディスの延長戦上でメンズを同じデザインフィロソフィーでやってます、と彼が言うのは分かる。だけど、ほかは違う。ボッテガもバレンシアガもJWもそれとは違う。延長線上でやっているとは全く思えないからね。となると、集客力とコストとそれ以外の要素とのバランスで決めているんだろうね。会社としてそこは注視して判断しているんでしょう。
―ジェンダーレスというのは後付け?
小笠原 まあ、それが流行っているのもあるよね。ヴェットモンはレディスと一緒に見せてるし。デムナは同じ世界観があるんだけど、彼が同じくやってるバレンシアガはメンズ、レディスの世界観は違うからね。
―パリは。
NEW! 18~19年秋冬パリ・コレクション サンローラン(2/28)
小笠原 LVMHで賞を取った若い子のやつあるでしょ。「マリーン・セル」?、これは要マークだね。
青木 恒例のLVMHプライズのショートリストの展示会も楽しみです。
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小笠原 あ、あとあれでしょ。ガリアーノのマルジェラ。良くなってるし。
NEW! 18~19年秋冬パリ・コレクション メゾン・マルジェラ(3/2)
NEW! 18〜19年秋冬パリ・コレクション ロエベ(3/4)
NEW! 18~19年秋冬パリ・コレクション ジバンシィ(3/5)
NEW! 18〜19年秋冬パリ・コレクション ヴァレンティノ(3/6)
NEW! 18~19年秋冬パリ・コレクション シャネル(3/7)
青木 初めはどうなんだろ、って言われてたけど、「やっぱりすごいな、ガリアーノ」と評価され、それから1年ぐらいたってる。彼が作るバッグや雑貨も広がりつつありますし。日本のブランドでは、「コムデギャルソン」チームの「ノワール・ケイニノミヤ」が本格的なランウェイショーをやるそうです。満を持してパリでプレゼンを行う「マメクロゴウチ」も注目ですね。
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