18~19年秋冬パリ・コレクション ロエベ

2018/03/04 04:29 更新


ロエベ

 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】18-19年秋冬パリ・コレクションは、スラッシュやベアバックなどで大胆に素肌をのぞかせるカットが増えている。女性らしさや官能的なムードを取り入れながらも、どこか強さも感じさせる。(写真=大原広和)

 ロエベのショー会場に入るとあちこちにアート作品が配置され、客席には分厚い本が置いてある。ジョナアン・アンダーソンらしいインテリジェンスな雰囲気のなか、縦長のシルエットにむき出しの強さと素朴さを閉じ込めた。

 胸元にブラがくっついて揺れるハウンドツースドレス、ざっくりと背中を割ったトレンチコート。官能的なディテールを取り入れながらも、そのローエッジな空気が見る者を刺激する。クラフトを感じさせるのは、いろんな色の毛糸をぐるぐると巻きつけたディテール。ドレスの身頃を部分的にねじってその上から毛糸を巻きつけ、テーラードジャケットの身頃をぎゅっとつまんでそこに毛糸を巻きつける。さまざまな色糸と不揃いな毛糸の作るディテールが、素朴な気分を運ぶ。


 もちろん、ロエベらしいレザーの技術を背景にしたアイテムも充実している。レザーとレースをプリーツ状に切り替えたロングドレス、レザーのダッフルコート、レザーのひもを垂らしたシアリングコートをロング&リーンのシルエットで仕上げる。日本人芸術家の工藤哲巳によるネオダダ彫刻やE.W.ゴッドウィンがデザインした家具や暖炉が配置された空間で、その作品からインスピレーションを得たコレクション。

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