アダストリア子会社のアドアーリンク 新ライフスタイルブランド「オー・ゼロ・ユー」

2021/03/31 06:28 更新


 アダストリアは100%子会社のアドアーリンクで3月からDtoC(メーカー直販)型のライフスタイルブランド「オー・ゼロ・ユー」を新たに始めた。アドアーリンクはアパレルのサーキュラーエコノミーの実現を目指し、同ブランドでは地球環境に優しい素材の選定や生産を行う。ブランド公式ウェブストアを中心に販売し、初年度は期間限定店を出店して認知を上げる。また、年内には直営1号店の出店も見込む。

(関麻生衣)

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 ブランド名は26種のアルファベットと数字の中で唯一円弧のO(オー)と0(ゼロ)を組み合わせ、循環をイメージした。多様な価値観を持つ人々を受け入れ、「あなたらしく過ごすこと」を発信する。ブランドの理念を消費者に直接伝えて共感を広げるため、EC専業とする。

 物作りは再生素材の活用やデジタル技術を応用して、環境への負担を軽減する。素材は土壌分解できるサステイナブル(持続可能な)素材や、ペットボトルや古着を再生したポリエステルを使う。

 ファッションメタデータバンク(FMB)と協業してデザインやパターンに3DCG技術を使う。サンプルの量を減らすことが狙い。3月24日にウェブサイトをプレオープンした時点で、すでに5型を3DCG技術で作った。今後は全商品の半分以上でこの技術を取り入れ、受注生産も検討する。加えて、AI(人工知能)による需要予測で無駄な調達や生産、在庫も削減する。

 生産背景の透明性も高める。サステイナブル・アパレル連合(SAC)の製品や企業の持続可能性や透明性を測る独自の評価基準「ヒグ・インデックス」を採用し、二酸化炭素の排出量と水の使用量を開示する。併せて、「ヒグMSI」(マテリアル・サステイナビリティー・インデックス)に準拠し、温暖化と水不足、資源枯渇、水質汚染における環境負荷を3段階で表す。これらの結果は商品タグにイラストで示す。

生産過程での環境負荷などを商品タグにイラストでわかりやすく見せる

 商品は毎シーズン40~50型ほど。シンプルで上質なシャツとジャージーアイテムといったシーズンレスで着られる服を主力にする。シャツで中心価格8000円。リサイクルシルバーで作ったアクセサリーなど雑貨もある。

 直営店は「フィロソフィーを理解してもらう」ことを目的とし、ショールームのような機能を持たせる。アドアーリンクの杉田篤社長は「30~40代の子育て世代はサステイナビリティーへの関心が高いが、向き合い方が分からない消費者も多い。生活に密着した商品提案で認知と共感を広げたい」と話す。今年中にはリペア、リユースの取り組みも実現したいという。

ユニセックスで着られ、体形が変化しても長く着てもらえるよう、ゆったりしたシルエットにする

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