ANAPは25年7月末に、AtoZ(東京、森川正規代表)からユニセックスブランド「ベイシックス」を取得する。取得額は1億5000万円。23年11月に提出した「上場維持基準への適合に向けた計画書」に基づく、ブランドの再構築と中長期成長戦略の一環。
ベイシックスは「クリスチャン・ダダ」のデザイナーなどで知られる森川マサノリ氏が21年3月に立ち上げたブランド。楽天ファッション・ウィーク東京25年秋冬でもショーを開催した。
3年めどに12億円規模に
「ベイシックス」デザイナーの森川マサノリ氏
「ベイシックス」デザイナーでAtoZ代表の森川マサノリ氏に今回のブランド買収について聞いた。
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21年秋冬にベイシックスを立ち上げ、これまで卸売りのみで運営してきました。取引先は約60件、一部輸出もしています。売り上げは伸び続けていて、数億円規模になります。当初から5年をめどに資本の大きな会社にブランドを売却してリテール事業を大きくする構想があり、昨年後半からANAPと話を進めていました。
7月中旬には、初の直営店を東京・表参道エリアに出します。今後の3カ年計画で売上高12億円を目指しています。今のコレクションをよりコンセプチュアルに進化させる一方で、より多くの人が手に取れるラインナップもやっていく方向です。今までにやっていなかった、ファッションECでの販売も考えています。また、来春は展示会をパリで行って、輸出にも力を入れます。現状は2人体制ですが、これらを実行していくには多くの人材が必要ですし、資本力がないと難しい。
ANAPは新規のブランド事業も検討していますが、僕の経験を生かしてデザイン監修という形で携わるかもしれません。既存のブランドも含め販促的な協力もできればと考えています。