記者の目

繊維・ファッション業界の現場を取材する記者による解説企画。日々の取材に基づく事実と知見をもとに、そこから見えてきた課題や兆しにフォーカスし、独自の分析や提言を行います。表層的なニュースでは捉えきれない産業構造や動向を読み解き、業界の明日を考えるためのヒントや、ビジネス判断の一助になることを目指します。

【記者の目】DtoCブランドがアフターサービスを強化する理由

2025/06/23

 アフターサービスを備えるDtoC(消費者直販)ブランドがECを中心に増えている。自社で丈調整や破れ、ほつれのお直しに対応するところや、機能性素材の再加工サービスなど幅広い。売って終わりではない取り組みに力を入れ始...

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【記者の目】レディスアパレルの秋冬MD より実需に沿った企画と供給を

2025/06/16

 レディスアパレルの秋冬MDが難しくなっている。残暑が長引き、防寒コートが着用時期である年明けに近づかないと売れなくなっていることが大きな要因で、従来のMDでは通用しなくなっている。鮮度やトレンドも加味しながらより...



【記者の目】求められる創業支援施設 業界全体でチャンスの提供を

2025/06/02

 若手デザイナーによる新興ブランドを育成し、成長のチャンスを与える場がファッション業界では少な過ぎると感じる。そうした中、昨年に創立20周年を迎えた東京都台東区の「台東デザイナーズビレッジ」(デザビレ)など、ファッ...



【記者の目】日本ならではの物作りで海外へ まねのできない付加価値が重要

2025/05/26

 国内市場の縮小や円安を背景に、海外輸出に力を入れる企業が増えている。輸出で必須になるのが、他国ではまねできない日本ならではのこだわった物作りだ。海外産テキスタイルの品質が向上する中、繊細な風合いや日本の伝統的な技...



【記者の目】ファッション企業発のDX支援 サザビー、デイトナ・インター、アダストリアなど続々

2025/05/19

 自社で培ったデジタル関連のノウハウをBtoB(企業間取引)向けサービスとして提供する企業が増えている。専門子会社を設立する例や、自社ECをプラットフォーム化してEC支援を行うなど。自らもファッション小売りを営むか...



【記者の目】国内縫製が直面する〝新卒離職〟 キャリアアップの明確な提示を

2025/04/28

 国内縫製業が新卒日本人社員の定着に頭を悩ませている。新卒採用しても、入社数年で離職してしまうケースが少なくない。ミシンオペレーターは一人前になるまで「最低3~5年かかる」と言われる縫製業界。早期離職が止まらなけれ...



【記者の目】停滞する靴の国内市場 どう消費を活性化するか

2025/04/14

 国内の靴市場が停滞している。24年は革靴の国内生産が前年比で50万足近く減った。低価格の輸入靴は売れているように見えるが、実際はそれほど売れていない。国内の靴の需要は確実に減退しており、インバウンド消費による高級...



【記者の目】〝リカバリーウェア〟を取り巻く問題 まじめな事業者が報われるには

2025/04/07

 疲労回復効果が期待される〝リカバリーウェア〟に該当する製品、あるいはそれに類する製品の一部で、法律に抵触しかねない問題が指摘されている。それを見かねた厚生労働省がこのほど事業者に対して注意を促した。どんな理由があ...



【記者の目】多様化する機能性靴下・肌着 セルフケア志向支えに高価格品が動く

2025/03/31

 レッグ・インナーウェアの機能が多様化している。暑さ対策、防寒といった季節商品が大きな柱であることに変わりないが、近年は消費者の生活防衛意識や異常気象で難しいかじ取りが続く。他方で、体の不調や悩みの改善に寄与する新...



【記者の目】専門店のMD改革、シーズンレス化だけでは不十分 問われる暑い秋と寒い春の戦い方

2025/03/24

 例年より気温が高かった24年10月は秋物が売れず、既存店売上高が落ち込んだ専門店が目立った。25年も2月は低気温で春物実需の活性化が遅れた。体感気温にそぐわない品揃えで端境期の売り上げを伸ばすことは難しい。猛暑や...