良品計画、生活雑貨テコ入れ 企画と店舗の連動強化

2019/01/11 06:27 更新


 良品計画は、売上高が伸び悩んでいる生活雑貨分野をテコ入れする。組織変更を実施し、生活雑貨全般の商品を横断的に開発できる体制を整え、店舗との連動も強化する。日本に次ぐ規模の中国市場では先行して今春夏から現地のニーズに沿った商品開発を開始する。

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 3~11月連結業績は増収増益だったが、商品別の既存店売り上げは衣服、食品が好調に推移しているのに対し、生活雑貨は伸び悩みが顕著だ。

 特に9月以降は前年実績を下回っている。第3四半期(9~11月)の生活雑貨の低迷について松﨑曉社長は「気温が下がらず、冬物、特に厚手の毛布などの売り上げが良くなかった」と説明する。

 同社は15年の12月の靴下の価格見直しを皮切りに、衣服など日常的に使う商品は「品質を上げつつ、価格を抑えて、買い上げ点数を上げ、客数も増やす施策を取ってきた」。この結果、衣服は16、17、18年と既存店売り上げを伸ばし、客数増にも貢献している。

 一方、衣服、食品に比べ商品のライフサイクルが長い生活雑貨は、同様の見直しを18年下期から実施しているものの、「タオル、スリッパなど小物類は好調だが、ベッドやファブリックなど大型商材の売れ行きが想定を下回った」。このため、2月1日付で生活雑貨の組織を変更する。

 生活雑貨部内に生産・調達担当、品揃え・商品開発担当、企画デザイン担当の三つの部署を配置し、アイテムごとに縦割りで行っていた商品開発を「暮らし全般を横断的な視点で捉え、売り場とも連動しながら、現状の品揃えに欠けている商品を見つけだして作り、伸ばしていく」。

 また「生活雑貨の売れ行きは海外市場でも鈍っている」との判断から、市場規模の大きい中国では、昨年9月1日付で商品開発部を設けた。今春夏から「シーツやベッド、水筒や炊飯器などは、日本規格ではなく、現地のニーズに合ったサイズ感の商品を増やす」考えだ。

良品計画の商品別既存店売上高推移


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