レナウン 資金繰りに行き詰り 山東如意と経営めぐる混乱も

2020/05/18 06:30 更新


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3月の株主総会で取締役再任案が否決され、急遽就任が決まった毛利憲司社長(左)と神保佳幸相談役

 レナウンの19年12月期連結決算(19年3~12月の変則決算)は、売上高502億6200万円、営業損益は79億9900万円の赤字、純損失は67憶4200万円で2期連続の最終赤字だった。現金および現金同等物の期末残高は14憶1800万円まで落ち込んでいた。

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 消費増税による消費低迷や台風による店舗休業、暖冬による防寒衣料の不振で、主販路の百貨店での販売苦戦が大きかった。さらに筆頭株主である山東如意科技集団の子会社、恒成国際発展(香港)に対する売掛金の未回収が発生し、販売・管理費として貸倒引当金繰入額53億2400万円を計上していた。未回収金については、恒成国際発展に支払い能力がなければ、連帯債務者として親会社の山東如意が債務保証をする取り決めだが、履行されなかった。

 未回収金の債務保証不履行の背景には、山東如意科技集団の経営不振がある。上海清算所は3月16日、山東如意科技集団が同日に予定していた社債の利払いができなかったと公告している。利払いができなかったのは、19年3月発行の3年物社債「19如意科技MTN001」で発行額は10億元、利率は7.5%。これについては全ての債権者と利払いの3カ月先延ばしで合意している。山東如意グループは投資を急拡大し、レナウンをはじめアクアスキュータム、インビスタのアパレル&テキスタイル事業、温州庄吉服飾など中国内外で積極的な買収により業容を拡大してきた。その結果、借入金が増加し、19年9月末時点の負債総額は390億4100万元、このうち1年以内に返済期限を迎える短期債務は65億3600万元だった。

 レナウンの3月26日の定時株主総会では、当時の神保佳幸社長と北畑稔会長の取締役再任の議案に対し、山東如意科技集団が反対し否決した。その後の取締役会で代表取締役の異動が決議され、取締役会長に山東如意科技集団の邱亜夫董事長が就任、毛利憲司取締役上席執行役員が代表取締役社長執行役員に就いた。一方、神保佳幸前社長は相談役に、北畑稔前会長は顧問に退いた。現在、北畑顧問は日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)の理事長を務めている。

レナウンの沿革

  • 1902年 佐々木八十八が大阪で繊維卸売業、佐々木営業部として創業。
  • 23年 商標に「レナウン」を採用。
  • 44年 第2次世界大戦で会社が消滅。
  • 46年 東京編織として再発足。
  • 55年 佐々木営業部をレナウン商事に社名変更。
  • 62年 レナウンルック(現ルックホールディングス)を設立(現在はレナウンとの資本関係はない)。
  • 70年 紳士既製服のレナウンニシキ設立。
  • 72年 レナウンニシキをダーバンに社名変更。
  • 2004年 レナウンとダーバンが経営統合して持ち株会社レナウンダーバンホールディングスを設立。
  • 06年 レナウンダーバンホールディングスを受け皿としてレナウンとダーバンが3社合併、新社名をレナウンとする。
  • 10年 第三者割当による新株を発行して山東如意科技集団が筆頭株主に(41.52%)。
  • 13年 第三者割当による新株を発行し山東如意の親会社である済寧如意投資の保有株が、山東如意保有株と合わせて5割強となり如意グループ入り。
  • 19年12月期時点の従業員数は905人。嘱託従業員3040人、臨時従業員(同期中平均)503人を含めて総計4448人。

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