オムニチャネル進捗を読む④ 顧客データ基に1to1へ

2018/01/01 04:20 更新


《連載 オムニチャネル進捗を読む 16年度ECアンケートから④》直営EC 顧客データ基に1to1へ

 回答のあった86社の自社直営EC合計売り上げ(ECモール、大手通販は除く)は約1500億円で、15年度の69社から社数が増え、約1100億円から36%伸びた。16年度EC売上高合計の8230億円の18.2%を占め、15年度から4ポイント上昇し、EC全体の約2割になった。直営ECを持つ企業は、着々と強化していることが分かる。

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メディアの機能

 直営ECは、つながりの深い顧客へ直接情報を伝えるメディアであり、パーソナルな接点であることが理想。ブランディングに直営サイトが欠かせないと見る企業は多い。

 ここにきて着手され始めたのが、顧客データの収集・分析だ。ECモールは客のメールアドレスや関心データを基に、出店ブランド・ショップへ品揃えや販促を支援するわけだが、この行動・購買データを自前で取得し、分析してPDCAサイクルを回す、さらに1個客の嗜好(しこう)やニーズを読んだ1to1マーケティングに挑むことが、これからの「企業資産」になる。

 取得データを分析し、仮説を立てるには、一定のデータ量の蓄積が必要。直営ECへの来訪者を増やす施策が求められ、店舗とECの顧客情報の一元化が視野に入る。ただ、顧客一元化は意外に課題が多い。システム変更による会員登録を客側が行うため、離脱が増える。この課題を解決するのがアプリ。顧客自らがブランド・ショップをダウンロードするため、登録も積極的。加えて店舗スタッフもアプリのダウンロードを業務フローの一環として薦めやすい。特にロイヤルティーが高いブランドなどは店舗からの会員拡大につながっている。

成長支援の要に


 「オムニチャネル戦略で推進しているインフラ整備」で複数回答可で選んでもらった。直営EC比率の回答企業では「社内の意識統一」「ブランドコンテンツ作り「在庫一元管理」「データ分析」の順になったが、直営EC比率が20%超の企業に絞ると、「社内の意思統一」に次いで多いのが「スマホアプリ導入」「顧客情報一元化」「データ分析」「ブランドコンテンツ作り」など偏りがないことが分かった。「数量予測支援・マーケティング・販促のプロフェッショナル」として、ブランドの商品情報・価値を関心ある層に伝え、生産した商品を売り切ることがECの役割になっている。



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