不動産サービスのCBRE 空室枯渇でも「出店機会を高める3つの方法」を提案

2025/06/03 06:26 更新


 不動産サービス大手のCBREは大都市中心部でのリテーラー向け空室区画が枯渇状態にあることに対して「出店機会を高める3つの方法」を提案した。

 大都市中心部ではリテーラーの旺盛な出店需要でプライムエリア(中心部の特に高価値な土地のエリア)は25年Q1(1~3月)時点で銀座、渋谷、心斎橋、栄の空室率が0%、表参道・原宿も1%を切るなどコロナ禍前の水準を下回った。セカンダリーエリア(プライムエリアの周辺)の空室率も低下している。特にファッション、ラグジュアリー、アウトドア・スポーツの3業態の出店意欲が高く、25年Q1のファッションの出店需要(希望面積)は23、24年の倍以上になっている。

 出店機会を高めるための一つは店舗の規模や出店時期を柔軟に調整すること。東京のハイストリート(プライムエリア+セカンダリーエリア)は99~198平方メートルの募集区画は需要の3割程度しかない。このため店舗面積の条件に柔軟性を持たせるほか、契約満了によるテナント入れ替えの可能性のある区画も一定程度あるため、出店時期を3年程度先まで視野に入れることも重要だ。

 出店需要が高いのはインバウンド消費の増加も要因だが、出店機会を高めるための二つ目は東京、大阪以外でも複数の都市を出店先候補に加えることだ。インバウンド消費の増加が特に顕著なのは福岡県だ。訪問者数で24年Q4(10~12月)は19年同期比で倍増している。神戸でも4月から神戸空港に国際チャーター便が就航し、訪問者数が増える見込みで、神戸のハイストリートは25年Q1の空室率が大幅に低下するなど期待が高まっている。

 三つ目は店舗需要の増加で回遊が増えそうなエリアに先行投資することだ。例えば心斎橋では御堂筋の歩道整備で御堂筋の西側でも出店需要が増加、南船場4丁目でも回遊性向上の可能性から増加傾向だ。



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