H&Mは8月2日で原宿店を閉店する。インディテックスはヤング向け「ベルシュカ」渋谷店を7月に、ユニクロも「ビックロ・ユニクロ新宿東口店」を6月で閉店した。コロナ禍前に比べ、集客や売り上げは当然減っていただろうが、閉店の理由はそれだけではない。成熟市場の日本でビジネスを伸ばすには、実店舗の機能やサービスを絶えず更新し、客のニーズ変化に応え続けることが不可欠との考えが背景にある。
(柏木均之)
ビックロがオープンした12年、ユニクロは国内に800を超える店があった。ただ、同社はこの時、海外進出を本格化しており、お膝元の日本で「グローバル旗艦店」を増やし、ブランドイメージを強化していた。10年が経過し、3社を取り巻く状況は大きく変わった。
H&Mの日本の店舗数は今や100を超え、アジアでの事業規模は2位。トップの中国は21年に起こった不買運動の影響で苦戦が続き、アジアでの今後の成長を考えると、将来復活する可能性のあるインバウンド(訪日外国人)需要を含め、日本市場での事業拡大は不可欠だ。
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