【連載】エグゼクティブキャリア新市場③

2018/12/09 06:30 更新


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百貨店、ファッションビル コト・モノ両面からの提案

 婦人服は低価格化やカジュアル化が進み、働く女性、とりわけスーツやジャケットを求める管理職女性に対応できていない。伊勢丹新宿本店の脇田俊介キャリアスタイルバイヤーは「伸びる市場だが、伊勢丹新宿本店としてリーチしきれていない」とし、「スーツクローゼット」を展開する高島屋の吉田有紀MD本部レディースファッションディビジョンバイヤーも「社会環境と売り場が逆行していた」と話す。

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 各店とも品揃えの充実とともに、ソフト面のサポートで、働く女性のための売り場作りを進めている。

新たな接点作る

 NBのキャリアブランド、海外ブランドのセカンドラインなどを揃えるコンテンポラリー、自主編集コーナーでキャリアスタイルゾーンを構成する伊勢丹新宿本店。「物・人・接点」の三位一体で働く女性をつかもうとしている。アパレルとの共同開発では来年に向け10万円程度のジャケットの開発も始めた。販売員はカラーや骨格診断、印象管理の知識習得を進め、接客サポートを厚くする。

 新たな接点作りとして10月、「イセタントランクサービス」を開始した。スタイリングをパッケージ化して送付し、客は気に入った服だけ買い取り、不要なものは返品できるサービスだ。買い物時間のなさやコーディネートに悩む女性の問題解決を狙う。こうしたデジタルのサービスも、店舗を構える安心感や、相談相手となる販売員の存在が差別化につながるとみる。

コンテンポラリーゾーンの伸びが顕著な伊勢丹新宿本店のキャリアゾーン

 高島屋の新宿、横浜、日本橋、京都、大阪店に設けるスーツクローゼットは、NBキャリアブランドやデザイナーとの協業品など、その名の通り売り場の主役はスーツ。立ち上げから約1年が経過し、客層は想定した30~40代がヤマとなっている。

 3月と9、10月に需要が高いのは計画通りだが、7~8月も思ったほど売り上げは下がらなかった。夏もスーツが必要なシーンはあるが、既存ブランドは夏のスーツの品揃えが薄い。人気のノーカラージャケットも、男性職場では浮いて見える場合があり、常にテーラードを置くことで需要をつかんだ。

このほど改装した高島屋日本橋店のスーツクローゼット

 30~40代はシルエットや素材を重視し、上下で3万円台のエントリー価格よりも4万~5万円台が売れ筋。今後はよりグレードの高い価格帯に伸び代があると見る。ジャケット、パンツ、ドレス、デザイン違いのスカートなどをカセットで提案し、「鏡の前で迷っている時間がない」人も簡単に着回せるようにする。悩みの解決につながるコト提案の必要性も感じ、9月には新宿、日本橋、横浜で印象管理をテーマにイベントを実施した。

自分らしさも

 シーンや職種、ファッション経験などから個性的なスタイルを求める層もいる。東京・新宿のニュウマンは、最近、百貨店との買い回りが増え、40代前半の伸びが高い。独自性の高いブランドの売り上げが好調で、ジャケットでも色や形に特徴のあるアイテムが売れる。自分なりのスタイルが確立した女性や、ファッション関連で働く女性から通勤着として選ばれているのではないかと見ている。

(繊研新聞本紙11月1日付)


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