東亜紡織 ベトナムでスーツ地 月産1000反規模に

2017/08/02 04:24 更新


 トーア紡グループの東亜紡織は、ベトナム合弁工場のドンナムウールンテキスタイルで生産の高度化に取り組んでいる。スーツ地を中心に月産1000反規模にまで拡大しており、今後は機能加工なども手掛ける方針。ベトナムからの輸出も見込んでいる。

 ドンナムウールンテキスタイルは、現地企業のナムディンシルクなどとの4社合弁で09年に設立。紡績約1万錘に加え、染色、整理工程などの設備を持ち、織機は同じ敷地内にある合弁相手の工場を活用している。

 設立当初は補修のできる人員がほとんどいないといった課題もあったが、中国の合弁工場である常熟東博紡織と連携。ベトナムから中国に従業員が補修の研修に行くなどして技術、品質レベルを向上させてきた。勤勉な国民性もあり、現在では「中国以上に高い品質のテキスタイルも生産できるようになってきた」(登田晋次執行役員テキスタイル営業本部長)という。

 当初はパンツ地が主力だったが、3年ほど前からはスーツ地が中心に。ウール・ポリエステル混でストレッチ性のある生地や、80番手など細番手の糸を使った生地などを生産している。短納期小ロット対応は中国で、計画生産の比較的ロットの大きいものはベトナムで、と使い分けている。また、ベトナムは免税制度が活用できることから、「ニーズとしては依然として高いものがある」という。

 現在は日系企業向けが多いが、ベトナムを活用した輸出にも取り組んでおり、一部実績も出てきた。今後も生産を増やしていく方針で、撥水(はっすい)、冷感、ウォッシャブルなどの機能加工素材やフォーマル向け素材の生産も視野に入れる。また、紡績ではニット糸の生産も近々スタートし、ベトナムでの原糸供給ニーズに応えていく。

合弁工場では約100人が働いている(補修の様子)


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