「ザ・ノース・フェイス」強さの秘密㊥

2018/12/23 06:25 更新


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【コア&モア 「ザ・ノース・フェイス」強さの秘密㊥】個性光る直営店が成長の要

 「間違っていなかったのは直営店の存在」。ザ・ノース・フェイス(TNF)成長の要因に、ゴールドウインの森光執行役員が商品と並び挙げるのが直営店政策だ。この20年の強化で、直営店は前期末で79になった。

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 直営店が増えると、ブランドメッセージを直接消費者に伝えられ、イメージも構築しやすい。森氏は「卸売りが主体だった頃は、我々が新しい提案をしようと思っても、まず取扱店が受け入れてないとお客様には伝わらなかった。しかし今なら、新たな提案を80の直営店でトライアルできる。お客様の反応もダイレクトに届き、次の企画や施策に生かせている」と話す。


◆画一性を排して

 単に店数を増やすだけではない。店舗開発における基本スタンスは、地域に合ったものを作ること。立地や対象客などにより、コンセプトや商品構成を大胆に変える。遊び心がテーマの「プレイ」業態、リゾート地のニセコや石垣島での通年営業、都市圏でアウトドアスタイルを楽しむ「スタンダード」業態、男性向け専門店…。近年開店した直営店は皆、個性が光る。

 4月26日に改装開業したテラスモール湘南店は、海に近いため、マリン商品が多い「ヘリーハンセン」(17年に国内商標権を取得)との複合店舗にリニューアルした。こうした柔軟性は数字にも表れ、純然たる「ザ・ノース・フェイス」屋号は、79店中26のみ。これ以外は派生業態で、10以上ある。

 それぞれ特徴を際立たせた店舗開発は非効率にも映る。しかし、店作りの担当者は「チェーンオペレーションによる画一的な店作りでは、劇的な感動体験を提供できない」と強調した。

 この信念が貫かれた例は、東京・原宿の4店舗だ。明治通り沿いにTNFの直営店1号目となる店舗(00年開業)を構え、同じ通りにスタンダード(10年)と女性向けの「マーチ」(11年)、キャットストリート沿いには「ザ・ノース・フェイスキッズ」(14年)がある。

 驚くのは、同じエリアに複数店を出しても、売上高が減っていない点。特に1号店は近隣に店舗ができるたび、扱う品番数が減ったが、年々売上高は増え、2ケタ成長が続く。複数出店で地域内の市場を深耕でき、「ブランドのポテンシャルを上げることができた」(森氏)。

ザ・ノース・フェイス原宿店
スタンダード
マーチ
キッズ

◆最高益の原動力

 直営店の出店は、店舗関連経費の増加をもたらす。しかし、ゴールドウインでは、百貨店や大手スポーツチェーン店におけるインショップ化も同時に進め、直営店含む自主管理型売り場の売上高比率は前期、全社水準(56%)を上回る65%に上昇。在庫管理のしやすい売り場への適時適品の投入で販売ロスを削減している。全社営業利益の25年ぶりとなる最高記録更新の原動力となった。

(つづく/繊研新聞本紙5月24日付)


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