仙台駅ビルのエスパル仙台 日常使いの利便性高める

2019/03/19 06:25 更新


 仙台駅ビルのエスパル仙台は16年に開設した東館が力を発揮する中、周辺環境の変化を捉える機能強化を進めている。ゲートウェーとして仙台市中心部のにぎわいに貢献してきたが、さらにエリア全体を押し上げる観光資源を加える計画だ。

(田村光龍)

 同施設は現在、本館地下の食関連のゾーンの刷新を進めている。18年11月にお土産ゾーンを「エキチカおみやげ通り」として20年ぶりに改装オープンしたのに続き、4月のオープンを目指して食物販ゾーンを「エキチカキッチン」に切り替える準備中。生鮮3品などを充実するもので、駅の東側のマンション開発で周辺に居住者が増えていることに対応する。お土産ゾーンの改装も地下鉄駅からの利用者を想定したもので、いずれも日常使いの利便性を高めることを目指す。

 高感度なテナントを揃える東館も認知が広がり、伸ばしている。駅東側の開発、西側の商業集積の高まりで東西通路の通行量が増えていることを捉えた。東館は18年にフレッドペリー、コロンビアを加えたスポーツ・アウトドアが押し上げ、ファッションが2ケタ増になっている。これらにより18年度売り上げは、本館地下1階の工事が続く中ではあるが、前期の390億円をほぼ確保する見通し。現在の改装がほぼ通年で利く来期は400億円超えを見込む。

 地域への発信も強化する。館内で仙台をアピールするイベントを継続的に実施するほか、18年クリスマス商戦では、駅エリアのパルコ、商業集積地・一番街エリアの藤崎、三越との市内大型商業施設4店でのスタンプラリーに参加した。さらに、仙台で行われるプロ野球をはじめとしたスポーツやコンサートなどとの連携を強めている。仙台の出入り口にある施設として「アウェーのお客に仙台を紹介したい」(小原能和店長)という。

 施設を運営する仙台ターミナルビルは20年度、仙台市荒浜地区に大規模観光果樹園を開設する。仙台市の沿岸部震災復興事業として、11ヘクタールの用地を開発する。通年営業でインバウンド(訪日外国人)も含めた観光客を呼び込む新たな拠点として期待されている。エスパル仙台はそのゲートウェーとして連携し、利用者の拡大を見込んでいる。

スポーツ・アウトドアが引っ張る東館


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事