繊研新聞は、ファッション市場で、日々起こっているニュースを業界で働く皆さんのためにお届けしている新聞です。一般紙と違い、ファッションの様々な分野に特化したベテラン記者が独自の視点でニュースを報道しているのが、繊研新聞最大の特徴であり、強み。
今回は、アパレル企業、合繊メーカーの取材担当を歴任し、昨年、編集局長に就任した藤浦修一記者に、繊研新聞とは何なのか、歴史と特徴、業界で働く皆さんにお読みいただきたい理由について、語ってもらいました。
Q.ファッションの業界紙なのに、繊維の「繊」に研究の「研」で「繊研新聞」っていう名前の由来は。
A.日々変化するファッションビジネスの情報をいち早く届けたい、というスタンスが「繊研新聞」という名前には込められています。
繊研新聞を作っている繊研新聞社の前身は「日本繊維経済研究所」という財団法人だったのです。当時のことを直接知る人間は社内にはもういませんが、この財団法人が作られたのは、戦後間もない1948年で、2年後に「繊研・相場速報」の発行を始めました。最初は綿糸や毛糸など服に使う原料の相場の速報紙だったのです。
戦後というタイミングを見ればお分かりと思いますが、後にファッションビジネスに進化していった、当時の繊維産業、ようするに紡績や合繊メーカーをはじめとする繊維関連企業の商売の拡大は、日本の経済が復興して行く一翼を担ってきました。
最初は繊維産業の基礎である繊維素材の相場の速報紙としてスタートした繊研新聞ですが、その後、繊維産業がファッション産業として、アパレル、小売りへと広がりを見せる中で、そうした分野もカバーするため、「相場速報」から「繊研新聞」へと名前を変え、広く業界情報を報道する専門紙になっていったわけです。
現在も繊研新聞は月~金曜の週5日発行しています。これほどの頻度でニュースを発行するのは、特定の産業に報道内容を絞った業界紙としては珍しいのですが、これも、日々変わる、綿糸や毛糸の価格情報を毎日届けようとして生まれた「繊研・相場速報」というルーツがあってのことなのです。
創刊当時の相場速報も、現在行っているトレンドやブランド、企業の動向などをお伝えするという役割も、ファッションの世界で生きる人たちのために、日々、変化する情報を追いかけ、報道する、という点では同じです。繊研新聞という名前は、ある意味、70年近く続けてきた、我々の仕事へのスタンスを表わしていると言えます。
Q.繊研新聞は日刊の新聞である以外にどんな特徴があるのですか。
A.紙のチカラを生かして、専任の記者が足で稼いだ情報を幅広く、分かりやすくお伝えしています。
繊研新聞ができた経緯でも触れましたが、最大の特徴は、繊維の素材メーカーからテキスタイル産地、商社、生地卸、服飾資材、縫製、アパレル、ファッショングッズ、百貨店、ショッピングセンター、専門店、SPA(アパレル製造小売業)、EC企業、関連機器メーカー、物流関連、繊維・ファションビジネスに関する行政まで、かなり幅広い範囲を網羅するファッションビジネスの総合紙であることです。日本国内だけでなく、世界の市場や企業を取材するネットワークも持っています。
毎日、記者がファッションの商売の現場を歩き、足で稼いだ情報を、日々の紙面でお届けしています。紙の新聞なので、その日一番大事なニュース、読者のみなさんにお伝えしたいことをわかりやすくお伝えできる紙面レイアウトを心がけています。ニュースの速報だけでなく、連載や企画記事を使って、業界の構造問題や成長企業や人気ブランドの成功の秘訣などの分析、解説などにも力を入れています。
もちろん、ファッションビジネスの中でも重要な位置を占める最新のトレンド情報は、パリやミラノのコレクションをはじめ、専任の記者を配置し、様々な角度から、早く、正確に読者のみなさんにお伝えできるよう努めています。
Q.ネットでもファッションのニュースが読めるし、繊研にもプラスというニュースを配信するサイトがありますが、紙の繊研新聞とネットでみるニュースは何が違うのですか。
A.新聞ならではのきめ細かな取材、報道の体制は、ネットで情報を得る時代になっても生きると思います。
確かに速報性という点では現在、ネット経由で情報を入手するほうが便利だということは我々も理解しています。繊研プラスというホームページを通じて、翌日の新聞に掲載するニュースの一部を報道しているのは、速報性が優先するニュースを早くお伝えするという使命を果たすためです。
ただ、ストレートニュースを流すだけが、新聞の役割ではありません。とりわけ、我々のような業界紙が読者の皆様から支持していただくには、高い専門性が肝心です。糸や布、縫製工場、メンズ、レディスの商品、それを売る企業、トレンド取材まで、繊研新聞には一般紙やネットメディアより細かく分かれた専門分野を担当する記者がいます。
彼らが日々の取材で集めた現在の情報と過去からの蓄積、データ分析なども交えてニュース記事を毎日執筆しています。これを経験豊かなデスクがチェックした上で、優先順位に沿って紙面に割り付け、新聞という形で発信していく、という仕組みは、今後、情報の入手方法がネット主体になっていった際、今まで以上に強みになると考えています。
ファッションビジネス専門の新聞社として、記者が業界に直接取材し、報道してきた70年近い歴史は、繊研新聞に掲載されるニュースが、長きにわたる取材の経験や知識に裏打ちされた、信頼性の高いものであることの証明です。
ニュースは、早く伝えることも価値ですが、何が起こったのかだけでなく、それがどうしてなのか、これからどうなっていくのか、読み手が判断するための材料を提供することも大事な価値です。そうした内容の記事にも繊研新聞は力を入れています。
近く、繊研新聞は紙の新聞、ホームページでの一部情報配信に加えて、有料の電子版も発行します。ここでお話したニュースの信頼度、鮮度、価値はそのままに、業界で働く皆様に役立つ情報をもっと便利にお届けしようと現在、鋭意その準備を進めています。
Q.世の中には無料で入手を配信するサイトもあります。繊研新聞を、お金を払って購読したほうが良い理由はあるのですか
A.ファッションの世界でチャンスをつかみたいと考える人たちに必須の情報をお届けしているからです。
繊研新聞はファッションビジネスにまつわる情報を当社自前の記者が、可能な限り網羅的に取材し、情報を精査して、わかりやすく、ときに解説などもまじえながら、読者のみなさんにお届けしています。
繊研新聞を継続して、毎日読むことで、ファッションビジネスが、いま、どういう状況にあって、これからどうなっていくのかが見えてくる。有料でもお読みいただきたいと考えるのは、未来をつかみ、ファッション業界で成功したいと考える人たちのために必須の情報を我々は日々お伝えしている、と自負しているからです。
繊研新聞は業界紙ですので、万人に向けたメディアではありません。でも、この世界で働く人たちが、今より良いキャリアを手に入れるために、成長するために必須の情報を日々満載してお届けしています。今後、読者のかたたちと接点を持てる機会も増やしていこうと考えています。これから始まる電子版も含め、業界の発展と働く皆さんのお役にもっと立てればと願っています。
ファッション業界で働く皆さんに役立つ情報を月~金までお届けします。繊研新聞の購読お申し込みはこちらから。
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