ネストボウル 経営の課題、マッチングで解消

2021/06/28 06:26 更新


池松社長

 「経営にとっての課題は人材だけではない。様々な課題をオンラインのマッチングプラットフォームで解決できれば」と話すのは、ファッション業界に特化した人材紹介サービス、エーバルーンコンサルティング(東京)の池松孝志社長。そのため、コロナ下の20年に別会社、ネストボウル(東京)を立ち上げ、運営するサイト上で様々なマッチングが可能なサービスを始めた。サイトは人と企業を結びつける求人情報が中心だが、企業間や個人と企業などのマッチングにも力を入れており、成約事例も出始めている。現在、企業の掲載は無料だが、8月からは有料サービスの提供も始める予定だ。

 ビジネスマッチングは、オフラインでの企業活動が停滞していることから、個人や企業間の新しい出会いの場をオンライン上で提供するサービス。例えば、個人間では編集者がカメラマンを探したり、企業間では異業種協業をしたりといった具合だ。現在の登録数は約100。登録すると、求人情報の掲載のほか、協業やM&A(企業の合併・買収)などサイト上でビジネス機会を創出できる。

 サイトも立ち上がったばかりで自動的にはマッチングが起きづらい。そのため、「ジャーナル」という記事を定期的に掲載し、マッチングを促す。ビームスなどのセレクトショップ、米富繊維などの工場やDtoC(メーカー直販)ブランドなどの担当者インタビューを通じて会社の理解を深めてもらっている。

 DtoCブランド「シールームリン」が好調なレモネード(東京)と、カフェ「ノーコーヒー」を運営するノーコーポレーション(福岡市)の協業はサイト上で結びついた一例。レモネードが福岡パルコに期間限定店(7月18日まで)を開く際に、ノーコーヒーとの協業商品を作りオンラインと店頭で販売している。レモネードは「協業までのスピード感」、ノーコーポは「地元以外の企業とつながれたこと」をそれぞれ評価。相互送客できるメリットも大きい。

 プラットフォーム事業の肝となる登録数が課題だ。マッチング機能が自走するにはまだまだ数は物足りない。「2年以内にまずは2000社が目標」と池松さん。成約事例も出始め、「使ってもらえそうな手応えはある」という。8月から予定している有料サービスの価格は詰めている最中だが、月額課金で使いやすい値段になる予定だ。



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