手芸刺繍糸大手の仏ディー・エム・シーの日本法人ディー・エム・シー(東京、小山田光晴社長)は、英国のファッションDIY(手作りのカスタマイズ)ブランド「ウール・アンド・ザ・ギャング」の日本の総代理店として輸入販売し、9月から供給を始める。「日本を含め、世界でハンドメイド市場への関心が顕著に高まっている」(小山田社長)と見て、著名ブランドとの協業や期間限定店なども仕掛け、市場への浸透を狙う。
同ブランドは08年にロンドンで創業し、欧米を中心に65カ国に販路がある。商品は多彩な太さや意匠の糸と、それらの糸を使ってユニークなアパレルやファッショングッズが作れるパッケージ、および完成品だ。SNS(交流サイト)や動画共有サイトのグローバルな情報伝達力を活用、ハンドメイド愛好者の創作意欲を刺激してユーザーを増やし、成長している。
主力の糸は7種類。定番はペルー産のソフトで適度な弾力のあるウールの糸。長さ80メートル(200グラム)の糸玉で参考小売価格は3800円。36色ある。棒針編み用に推奨している糸の太さは直径が25ミリ、かぎ針編み用では10ミリと極太。一般的な毛糸と比べると個性的な編み地に仕上がる上、一般的な毛糸よりも短時間で簡単に編み上がる。そのほか、廃棄されたデニムを裂いて再び紡績し、アップサイクルした糸や、環境に配慮した生産工程のセルロース繊維「テンセル」の糸などエシカルな商品もある。
パッケージは糸玉と棒針などがセットで1アイテムを作ることができる。参考小売価格は8000~1万円。人気アイテムはサンダルやクラッチバッグ、帽子のセットだ。動画共有サイトのユーチューブで作り方を公開している。ユーザーが作った完成品はインスタグラム(フォロワー数14万6000)やフェイスブック(同13万)などSNSで拡散され、販促効果を高めている。