アダストリア 東京デザイン専門学校と課外授業 現場で店舗VMDを学ぶ

2023/08/07 17:00 更新


8月7日、店舗に学生が集まり、開店前の1時間で什器を設置した。設置期間は10日ほど

 アダストリアは東京デザイン専門学校と職場体験「ハラジュククックアウト」を行った。学生が「ニコアンドトーキョー」(東京・原宿)で使う什器を制作し、設置。夏休みの課外授業の一つで、12人の募集に対して22人の学生が応募し、応募者は最も多かったという。「ファッション業界のデザインの現場に若手が来てほしい」(倉地誠ニコアンド営業本部チーフディレクターVMD)思いを込める。

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 今年で2回目。校内での人気を受け、今年は正式な夏休みの課外授業として実施した。倉地さんが講師となり座学で店舗VMDの基礎を教えたのち、什器を5日間で制作した。樹脂を成型する過程から行い、食材や調理器具をテーマにした立体造形にも挑戦した。

樹脂で作った透明な什器を氷のようなイメージでキューブ状の形にした

 参加した学生は「想像よりも大変だった。制作に時間もかかったし、失敗もした。でも仲間と協力しながらできて良い体験だった」「初めて什器を作ったので楽しかった」と話した。

 今後は「この課外授業に参加したいから、東京デザイン専門学校に進学したいとか、課外授業をきっかけに自身や将来自身の子供が『ニコアンド』に足を運ぶとか産学活動を循環させて、持続的なものにしたい」(授業を担当する非常勤講師の小室洋介さん)という。学生らが制作した什器に陳列した商品が、どのくらい売れたかなどの実証結果は後日、学生に報告する場を作る考えだ。

■倉地さんの話

 学生時代に現場で実習できる機会があるのはいいなと感じるし、今後たくさん作りたい。人材を採用する上で服を売る商売頭が良いかは大事だが、一方でデザインの知識を持つ若手を採らないと(アパレル小売企業の)バランスが取れないと思う。美術大学を卒業し、VMDでキャリアを積んできた身として、デザインができる若手にも今後業界で活躍してほしい。同じ原宿にある東京デザイン専門学校と楽しいことをやろうと始めた。原宿のエリアが面白くなっている。あっと驚くディスプレーで近隣の店とも切磋琢磨(せっさたくま)していきたい。

右が倉地さん。「店での気づきや発見で行動に移せる楽しさが店舗VMDにはある」と話す


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