アダストリアは「グローバルワーク」に、需要予測AI(人工知能)の技術を導入した。提供するのはアプリケーションサービスの開発、AIの開発および研究を行うスタートアップ企業のLiaro(東京)。店舗に商品を配分する作業の効率化や、在庫量、作業負担を調整し、「適時・適価・適量」の方針のもと取り組むファッションロスの削減に役立てる。
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21年から検証・PoC(実証実験)を行い、今春夏から一部商品で導入した。公式ウェブストア「ドットエスティ」会員から得た購入や在庫の膨大なデータのより効率的な活用を考えた。
AI需要予測の技術を導入した結果、技術を導入していない商品に比べ、販売の機会損失が3%改善されたという。また、仕入れた商品を店の状況に合わせて分配するディストリビューターの作業精度が向上。店頭在庫の最適化で店舗間移動が抑制されることで配送回数の削減にも期待する。
アダストリアは企業成長をさらに加速するため、「顧客体験の変革」「働き方の改革」を軸に〝攻めのDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略〟を進めている。今後はよりファッション性の高いブランドや商品でもAI需要予測技術を使えるようにする。利用範囲や予測の精度を上げ、在庫を従来よりも効率的に管理し、働き方を改善していく考えだ。
Liaroは14年設立。アパレル企業をはじめ調剤薬局、ドラッグストア、コンビニエンスストア、スーパーマーケット向けに深層学習や機械学習を活用した需要予測AIを開発。導入後のサポートまで一貫のコンサルティングサービスで提供している。