記者の目

繊維・ファッション業界の現場を取材する記者による解説企画。日々の取材に基づく事実と知見をもとに、そこから見えてきた課題や兆しにフォーカスし、独自の分析や提言を行います。表層的なニュースでは捉えきれない産業構造や動向を読み解き、業界の明日を考えるためのヒントや、ビジネス判断の一助になることを目指します。

【記者の目】キャンプ人気を維持するには ステップアップの支援を

2022/09/12

 コロナ下で好調さが際立っていたキャンプ用品販売の勢いに、陰りが見え始めた。しかし、消費者の自然指向の強まりはコロナ禍以前から起きており、アウトドア需要は底堅い。業界は価格競争に走らず、ユーザーに対してキャンプ機会...

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【記者の目】合繊メーカーで火災や品質問題相次ぐ コスト優先からの転換を

2022/08/08

 合繊メーカーで近年、火災事故や品質問題が相次いでいる。火災の影響で製品の供給責任を果たせないケースが出たほか、関係者が亡くなるといった深刻な例も複数発生している。品質問題では、客先や第三者認証の基準を満たさない製...



【記者の目】日本のデザイナーブランドの今 デザイン性と社会性を両輪に

2022/07/18

 ここ数年、社会問題を強く意識する日本ブランドが目立っている。日本の産地の存続を念頭に置いた取り組み、徹底したサステイナブル(持続可能な)志向。そういった社会性とデザインの魅力が両輪となって、ブランドの存在感を高め...



【記者の目】再定義迫られるコロナ下の百貨店 不特定多数から特定顧客へ

2022/06/13

 コロナ禍で、百貨店の収益構造の脆弱(ぜいじゃく)性が露呈し、消費行動の変化で従来の都心立地の優位性が発揮できなくなった。コスト削減など構造改革やデジタル化の加速が最重要の経営課題だ。百貨店を再定義し、「全てがお客...



【記者の目】従業員の幸せが企業や社会的価値になる 夢を描ける環境を整備

2022/05/09

 従業員の幸せが企業の持続性になり、社会的価値にもなりうる。そのような考えがレディス企業でも広がっている。販売員を多く抱える小売企業は、この2年、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため店舗の休業や時短営業を余儀なく...



【記者の目】コスト高に揺れる量販店向けアパレル 店頭価格のアップが不可欠

2022/05/05

 量販店向けレディスアパレルメーカーが揺れている。コロナ禍による衣料品不振の加速に、原材料、物流費の高騰、さらに円安の三重苦が加わり、かつてないほど状況は厳しい。「このままでは続かない」。アパレルがどうすれば生き残...



【記者の目】今こそサプライチェーン全体最適化 利用しやすいプラットフォームを

2022/04/11

 国内市場は縮小が続き、国内の生産現場では人手不足、高齢化が進む。販売の現場でも人手不足が課題だ。SDGs(持続可能な開発目標)の認知が広がる前から、日本のアパレル産業のサステイナビリティー(持続可能性)が大きな課...



【記者の目】カーディガンがレディス市場を席巻中 定番から主役アイテムへ

2022/04/11

 カーディガンが売れている。レディス市場でカーディガンといえば、働く女性などきれいめなスタイルの定番の羽織りアイテムだが、今好調なのはモード、カジュアルを基調とするショップたち。パステルカラーや短丈などデザインのバ...



【記者の目】アパレルの受注生産を考える 欠かせない独自の魅力、社会問題解決の視点で

2022/03/14

 アパレルメーカーによる専門店などへの卸売りは、長年続くオールドエコノミーの典型だ。インフルエンサーも関わることが多いDtoC(メーカー直販)ブランドは、ニューエコノミーの代表例と言われる。全く異なるビジネス形態な...



【記者の目】広がるメンズコスメ市場 SNSで美容意識向上、ライフスタイル提案に導入も

2022/02/14

 メンズコスメ(男性用化粧品)市場が元気だ。特に伸びがいいのが20、30代を中心とする若い層の需要で、国内外の新興ブランドが急増している。EC市場が先行し、実店舗での売り場も徐々に増えている状況だ。今後も伸び続けて...