ユニクロ「本店」を読み解く 世界一の売上高を達成する公算は

2024/11/11 06:30 更新有料会員限定


ビックロの跡地にオープンした新宿本店

 ユニクロは10月25日に「新宿本店」をオープンした。最新・最旬の商品とサービスを提供する「グローバル旗艦店」として国内外合わせ16番目の店舗だ。そして世界中に2500以上ある全店舗の「本店」として、世界トップの売上高を目指すという。同一エリア内ですでに4店があるにもかかわらず、なぜ、新宿にさらに大型店を出したのか。狙いを読み解く。

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客を楽しませるすべてを

 「新宿本店」は12年9月にビックカメラと合体した店舗としてオープンし、22年6月に閉店した「ビックロ」の跡地に出した。4000平方メートル近い売り場面積は、都内にある他の二つのグローバル旗艦店、ユニクロトウキョウ、銀座店に次ぐ大きさだ。

 1階売り場にはオープン時、今秋冬のイチ押し商品であるカシミヤセーター(税込み9990円)を全色ぎっしりと並べた。それ以外に日本で販売しているフルラインの商品を置くほか、初の試みとして欧米の人気商品も限定で販売する。

オープン時は1階でカシミヤセーターのバリエーションをアピールした
本店限定で欧米向け商品も販売する

 好みの絵やロゴをプリントできる「UTme!」(ユーティーミー)のほか、リペア・リメイクの「リ・ユニクロスタジオ」、花屋、コーヒーショップなど、ここ数年で導入を本格化した客を楽しませるためのサービスはすべて取り入れた。

コーヒーショップや花屋など大型店で導入している最新サービスも提供する

 スーツなどのカスタムオーダースペースも既存店舗に比べ、かなり広めになっている。他の大型店同様、「プラステ」「コントワー・デ・コトニエ」「プリンセス・タム・タム」とファーストリテイリンググループ傘下のブランドも出店している。

 契約満了に伴い、一度は撤退した場所に再度出店することが決まった際、数々のグローバル旗艦店のプロデュースを手掛けてきた佐藤可士和氏は当初「もう一度ビックロをとも考えた」という。だが、結局は「全く新しいコンセプトで店作りをすることにした」。

 売り場が12フロアに分かれる銀座店に比べ、本店では3フロアを客がゆったり見て回ることができるのがメリットだ。多くの客を引き付けるため、新宿通り沿いに面した店のエントランスには、大きな看板と、デジタル化したユニクロのロゴを映し出す巨大LEDを配置した。

新宿通り沿いのエントランスには大型LEDを設置した

新宿は日本最重要市場

 「店舗が最大のメディアである」という柳井正会長兼社長の考えに沿って、ソーホーニューヨーク店を06年に出店して以来、ユニクロはほぼ毎年に近いペースでグローバル旗艦店を出店してきた。その最新店舗である新宿本店は、過去にユニクロが世界中の店舗で導入、提供してきたサービスや試みをすべて詰め込んだ、現時点での集大成と言える。

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