はじめに
いま、価値あるブランドとは?――その出発点と現在地を見つめ直す
「繊研新聞レディスファッション特集」 第11号(19年1月号)のテーマは、前回号に続きブランドの“価値”に焦点を当てる。
今回の特集に登場するブランドからは、“原点回帰”というキーワードが多く聞かれた。ブレてはいけないブランドの根幹を大事にしたいという意味だ。一方で、やはりファッションなので昔と同じことを守っているだけではブランドは古くなってしまう。今提案すべき色や素材は何なのか、着丈やバランスはどれくらいなのか、時代に応じて全てを問い直し変化し続けることで自分たちのブランドらしさを表現しようとしている。
都度自分たちの出発点と現在地を見つめ直し、自分たちが存在する“価値”を追求し続けるブランドの取り組みと思いを紹介する。
(19年1月21日発行の「繊研新聞」本紙挟み込みのカラータブロイド特集から抜粋)
目次
○あのブランドの真の「価値」とは?
- マッシュスタイルラボ「ミラオーウェン」
- エムファースト「トーナル」
- イースリー「エクラン」
- アルページュ「アルページュストーリー」
- ヒロタ「トランテアンソンドゥモード」
- ウェアーズ「ダブルクローゼット」
- ハニークリーパー
○最新ブランドニュース8選
- ストライプインターナショナル「クラフトスタンダードブティック」
- 光世「エイミーロウ」
- ブランドニュース 19年春夏
あのブランドの真の「価値」とは?
レディスファッション業界は目まぐるしくトレンドが変化し、前シーズンまで売れていた商品やブランドが別のものに取って代わられることも珍しくない。そんな中でも、ブランドらしさという基盤をしっかり守りながら、立ち止まらず新しいものを取り入れて進化し続けるあのブランドや企業の取り組みとは。
マッシュスタイルラボ「ミラオーウェン」/“ 次 ”のムードを読み、挑戦し続ける強さ
マッシュスタイルラボのレディスブランド「ミラオーウェン」は、14年春に1号店のルミネ新宿2店をオープンして以降、品質とデザインに妥協しない旬のベーシック服をリーズナブルに提供し、全国の高感度な大人の女性に支持されてきた。市場のトレンドが移り変わるなかでも成長を続けるブランドの商品力とは。
エムファースト「トーナル」/19年は原点回帰、改めて“駅ビル感度”のキャリア服を
エムファーストのモード系レディスキャリアブランド「トーナル」は19年春夏、30代の都会的な働く女性のための“スタンダードワードローブ”という原点に立ち返る。ベーシックな通勤アイテムを中心に売れ筋を確立してきた一方、ファッションの鮮度が弱まった反省から、仕事で使えるだけでなく旬のおしゃれを楽しめる商品企画を充実。真の意味で現代女性のニーズに応えるブランドとしてブラッシュアップする。
イースリー「エクラン」/高感度でフェミニンな服を買いやすく 19年春から出店加速
イースリーの「エクラン」は16年秋にスタートした、20代後半向けのレディスブランド。モード感とカジュアルさを加えたフェミニンな服を、対象客層が買いやすい価格で販売する。スカートとワンピースの二軸で売り上げを伸ばし、ブランドの方向性も固まってきたことで、今春から積極的に出店を進める。東京、名古屋、大阪のファッションビルを中心に、一部百貨店も想定する。
アルページュ「アルページュストーリー」/リアルとウェブを連携し、より快適なブランド体験を
レディスアパレル企業のアルページュは、自社の4ブランド「アプワイザー・リッシェ」「ジャスグリッティー」「リランドチュール」「マイストラーダ」をトータルで扱う「アルページュストーリー」をECサイト、実店舗両方で運営している。ファッション消費が多様化するなかで、顧客にとっての買い方の選択肢を増やせるよう独自のサービスやコンテンツ開発、店舗ツール導入にも取り組んでいる。
ヒロタ「トランテアンソンドゥモード」/ブランド10周年を機に、新しいコンサバスタイルを
ヒロタのレディスブランド「トランテアンソンドゥモード」は10周年を迎える19年春、ブランドの方向性として“新しいコンサバスタイルの提案”を掲げる。デビュー当時もツイードのジャケットとデニムパンツのスタイリングなどが、シンプルなコンサバ服に満足できない女性たちの人気を集めた。ただし単に原点に戻すのではなく、その時代に合わせてアップデートされたフェミニンOLファッションを追求する。
ウェアーズ「ダブルクローゼット」/商品、販売、ファンがつながるコミュニケーション
ウェアーズのレディスカジュアルブランド「ダブルクローゼット」は、リアル店舗、自社EC、社外のECモールの各販路で、顧客とより深くつながるためのコミュニケーションやプロモーションに力を入れている。
ハニークリーパー/19年6月で創業20周年 生産、品質、価格で商品力向上、セレクト店販路など拡大
レディスアパレルメーカーのハニークリーパーは改めて専門店向け卸事業を強化する。生産地のバリエーションと品質管理、パタンナーといった企画力の充実で、SPA(製造小売業)やセレクト店販路向けの商材を拡大する。
最新ブランドニュース8選
18年から19年にかけても、注目の新ブランドが続々と登場する。人気セレクトショップの新業態やメンズ&レディス複合ショップ、EC限定ブランドなど、今の時代のニーズに応えるさまざまなテイスト、価格帯のブランドが揃う。
ストライプインターナショナル「クラフトスタンダードブティック」/クラフト感ある商品をSC価格で 19年春から出店開始
ストライプインターナショナルは19年春、レディス、メンズの新カジュアルブランド「クラフトスタンダードブティック」を立ち上げる。既存ブランドで培った、低価格ながら価値ある物作りを武器に大型SCに出店する。
光世「エイミーロウ」/19年春、本格デビュー 気持ちが上がる服 仕上げはあくまでエレガント
レディスアパレルメーカー、光世が19年春本格デビューさせる「エイミーロウ」は、いろいろなファッションを経験した30代~50代に向けたブランド。上質な素材、縫製をベースに、目を引くデザイン、気持ちが上がるようなウェアを揃える。販路はセレクトショップのほかEC、直営店とする。
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企画製作:繊研新聞業務局
表紙イラスト:タナカ ヒロキ