マッシュスタイルラボ「ミラオーウェン」/“ 次 ”のムードを読み、挑戦し続ける強さ


 マッシュスタイルラボのレディスブランド「ミラオーウェン」は、14年春に1号店のルミネ新宿2店をオープンして以降、品質とデザインに妥協しない旬のベーシック服をリーズナブルに提供し、全国の高感度な大人の女性に支持されてきた。市場のトレンドが移り変わるなかでも成長を続けるブランドの商品力とは。

半歩先の “ネクストベーシック” を

 ミラオーウェンのコンセプトは “ネクストベーシック”と“ロープライスラグジュアリー”。この、矛盾するようでありながらも的確な言葉には、「こんな商品を作ったら女性に喜んでもらえるのでは」というマッシュらしいアイデアが詰まっている。賢くお金を使って、ファッションだけでなく美容も食もスポーツも楽しみたい現代女性のために開発された。井木秀香ディレクターはミラオーウェンが世に初めて出た、ルミネ新宿2店の1号店オープン当日、「非常にたくさんのお客様が来店してくれた」ことをよく覚えている。

 その後、勢いあるスピードで店舗数を広げ、国内は現在49店(18年12月末時点)。海外にも積極出店してきた。30~40代の大人の女性を中心に、20~50代前半と客層は広がっている。価格が安いからと何気なく購入した女性も、実際にしばらく使ってみて良さを実感し、ブランドの大ファンになってくれることが多いという。

 18年も売上高は前年同期比2ケタ増ペースで成長し、19年に5周年を迎える。その裏では、年4回の展示会の度にたくさんの挑戦と反省、修正が繰り返されてきた。レディス市場全体のトレンドがシンプル、デザイン物、カジュアルなどさまざまに変化するなか、“次”のベーシックという難題を毎シーズンどう表現するのか。井木ディレクターはそのネクストの部分について、「ムード、流れなんだと思う」と話す。単に今のニーズに合わせて作るのではなく、「商品が店頭に並ぶ半年、1年後の女性や世の中のムードを予測し、提案することが大切。次はどんな色やシルエットがムードなのかを懸命に考えている」。

コンセプトにさらに磨きをかけた19年春夏ファーストコレクション

また買いたくなる定番アイテム

 商品開発ではこれまで、動いたときにも美しく見えるパターンや、着心地が良く体のラインも響きにくい生地などを追求し、数々の名品を作り出してきた。定番アイテムも “次” のムードを読んで、シーズンごとに袖の長さやシルエットを調整している。それがファンを喜ばせる変え方であれば、すでに持っている女性もまた購入してくれる。「ハードルは高いが、頑張って提案し続けたい」

 イタリアの「ヴィエラヤーン」の高級ウール糸を使用したハイゲージニットシリーズは、Tシャツ感覚で着られてレストランにも行けるような目のきれいなニットを目指し、糸の選定など苦労の末に生まれた。19年春は、5周年記念で半袖プルオーバー2種類とカーディガンを各5色で作った。6400~7800円 。

ブランド5周年を記念した「ヴィエラヤーン」のニットプルオーバーの新作

 オーガニックコットンを使ったウォッシャブルのニットプルオーバーは、過去5年の売り上げランキングでもナンバーワンの商品だ。フレンチリネン100%のシャツや、ボーダーカットソーのプルオーバーも大切に進化を重ねてきた。トレンド感のあるシーズン商品も、ミラオーウェンらしい表現が光る。例えば19年春は花柄のワンピースを充実しているが、大人が着たい&似合う色と柄にこだわり抜いた。

定番のフレンチリネンのシャツはシーズンごとに襟の形やボタンの間隔を改良

グローバルで通用するブランドに

 他ブランドの追随を許さない価格と品質、デザインのバランスで、レディス市場で独自のポジションを築いてきたミラオーウェン。国内出店は9割ほどが完了した。17年9月に1号店をリニューアルしたが、他の店舗もリニューアルや移設を検討する。新規出店について近藤広幸社長は、「あまり増やすつもりはないが、未開拓の優れた地域はまだある」とみている。

 一方、海外出店は伸びしろが大きい。現在、中国、香港、マカオ、台湾に計36店(18年12月末時点)があるが、「将来的には100店くらいの規模にしたい。東南アジア市場も、先行している『スナイデル』などで成果が出れば可能性がある」と強調する。

 グローバルに通用するブランドであるためにも、「今後はネクストベーシック、ロープライスラグジュアリーというブランドのコンセプトの極限に近づいていく。徹底的にクオリティーやデザイン、表現を磨き、『倍以上に良くなった』と言われるようにしたい」。この先どういう社会になるか、「ライフスタイルの動向を見極めながらプライスデザインをしていくことも重要だ。加えて、どんな音楽が好きなブランドなのかなど、アートやカルチャーの部分も含めてミラオーウェンのことを女性たちに伝えていきたい」。

井木秀香ディレクター

“エドウイン品質 ” のデニム商品を発売

 ミラオーウェンのデビュー以来の人気商品の一つが、デニムシリーズ「ミラオーウェンデニム」だ。改良を重ね、ブランドを代表するアイテムとして現在も売り上げが伸び続けている。19年春から、ここに強いラインナップが加わる。ミラオーウェンがリスペクトするジーンズメーカー、エドウイン(東京)との取り組みによる「ミラオーウェンデニム・バイ・エドウイン」だ。

 この取り組みの特徴はいわゆるコラボレーション(協業)ではなく、ミラオーウェンが考えたデザインをエドウインが製品化する、メーカーとしての関わり方であること。「エドウインさんはデニムの大先輩。環境に配慮した独自の廃水浄化システム、縫製に関する

高い技術力も素晴らしい」と井木ディレクター。マッシュの物作りや環境への考え方と共通する部分も多い。ファーストコレクションは、ビッグシルエットのジャケット、センタープレスのシガレットジーンズ、ハイウエストワイドジーンズ、ルーミーテーパードジーンズ、カラーストレートジーンズを作った。両社のこだわりが詰まった商品を、8300 ~9800円というミラオーウェン価格で発売する。

ミラオーウェンが企画し、エドウインが生産したジーンズ


MASH Style Lab Co.,Ltd.

【TEL】03-5778-2165

【HP】http://www.ms-lab.com/

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