ヒロタのレディスブランド「トランテアンソンドゥモード」は10周年を迎える19年春、ブランドの方向性として“新しいコンサバスタイルの提案”を掲げる。デビュー当時もツイードのジャケットとデニムパンツのスタイリングなどが、シンプルなコンサバ服に満足できない女性たちの人気を集めた。ただし単に原点に戻すのではなく、その時代に合わせてアップデートされたフェミニンOLファッションを追求する。
着丈の長さも今の時代に合わせて進化
「お客様像やコンセプトについて、最近は社内でも認識があいまいになってきた。そこで10周年を機にブランドのあり方を見つめ直し、浮かび上がったのがブランド誕生当初からのコンセプトでもある“新しいコンサバスタイル”だ」とMD担当の鈴木陽平さん。
今っぽさを表現する上で重視しているのが服の着丈だ。昔はひざ丈スカートが主流だったが、今のトレンドはより長い丈。OLファッションはもちろん、商品によってはスウェットトップなどとカジュアルにも着こなせる微妙なバランスにしている。スカートやワンピースが長いので、ジャケットやアウターは逆に短い丈が売れ筋という。
19年春夏物でも、こうした新しいコンサバが伝わる商品を充実する。例えば王道かつトレンドのツイードジャケットはライダーズタイプで変化を出した。ひざ下丈の花柄フレアスカートや、多色レースを使ったタイトスカートも推す。元々はワンピースが軸のブランドだが、最近はスカートが好調なことから品揃えを増やした。トップスとのセット提案にも力を入れる。
ショップの見せ方も進化させる。ブランドを象徴する7体のマネキンに新たに1週間のスタイリングを割り振り、月曜はタイトスカートにブラウス、火曜は雰囲気を変えて花柄ワンピース、土曜と日曜はカジュアルなオフスタイルとバリエーションを分かりやすく見せる。ブランド名にあるトランテアンはフランス語で「31」。1カ月の日数を指す。「毎日色々なコーディネートを楽しめるブランド」としての原点も打ち出す。
レディス市場はこの間カジュアルのトレンドが続き、フェミニン系のブランドにとっては逆風といえる。しかしトレンドに流されてブランドの軸がブレてしまわないよう、「コンセプトをしっかり磨き続けながら新しさを表現したい。こういうブランドこそが生き残ると思う」。
10周年記念商品が毎月登場
19年春夏は1月から6月の毎月、スペシャルなタグを付けた10周年記念商品が登場する。基本はワンピースと雑貨で、過去のヒット商品を進化させたり新しく一から企画した。3月はジャケットやTシャツなども含めて6型を発売する。こまめな話題作りでブランドへの興味関心を高める。SNSなど販促とも連動して10周年を盛り上げる予定だ。
31 Sons de mode(HIROTA)
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